【2026年最新版】任意継続被保険者制度を徹底解説

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──会社を辞めた後も健康保険を継続できる制度の“メリット・落とし穴”を経営者視点で整理する

会社を退職したとき、
もっとも悩みやすいのが 「健康保険をどうするか?」 という問題です。

退職すると自動的に会社の健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)は脱退となり、
次のいずれかに加入する必要があります。


✔ 任意継続被保険者制度

✔ 国民健康保険

✔ 家族の扶養に入る(健康保険の被扶養者)


この中で、
「保険料は高いが、給付内容が安定している」
という理由で人気なのが 任意継続被保険者制度 です。

2026年時点でも制度の骨格は維持されていますが、
保険料の上限改定や所得状況の変化によって「選び方」が変わりつつあります。

本記事では、経営者・役員・自営業者のライフステージに関係する
「任意継続」の仕組み・費用・メリット・デメリットを
2026年の最新状況をもとに徹底解説します。


■ 1. 任意継続被保険者制度とは?

──退職後も最長2年間、会社の健康保険に加入し続けられる制度

任意継続とは、

退職する前に加入していた健康保険を、退職後もそのまま最長2年間継続できる制度

のことです。

対象となるのは、


✔ 健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)

※国民健康保険には任意継続はありません


退職後に継続するため、
会社は関与せず本人が手続きを行います。


■ 2. 任意継続の加入条件(2026年最新版)

以下のすべてを満たす必要があります。


◆(1)退職日の前日までに 継続して2カ月以上 加入していた

短期加入でも2カ月あれば対象。


◆(2)退職日の翌日から 20日以内 に手続き

加入期限は非常にタイトで、
1日でも遅れると絶対に加入できない のが最大の注意点。


◆(3)保険料を期日までに納付できること

保険料を滞納すると資格喪失します。


2026年の制度変更ポイント

  • 手続きは オンライン申請が急速に普及(協会けんぽ対応)
  • 一部組合では印鑑不要・電子申請義務化へ移行
  • 保険料算定の上限額が2025年に続き引き上げ傾向

■ 3. 任意継続の保険料は「会社負担がなくなるため2倍」になる

退職前は、健康保険料は
会社と本人が折半(約50%ずつ)
でしたが、

任意継続になると…


✔ 会社負担がなくなる

✔ 本人が100%全額負担になる


そのため、保険料は体感で「約2倍」になります。


【例】

退職前の健康保険料:月15,000円(本人負担)

→ 全額負担になると 約30,000円/月


しかし、任意継続の保険料の計算には“上限額”がある

協会けんぽでは、


✔ 保険料の計算基礎は「標準報酬月額」の上限

✔ 上限は地域ごとに決まっている

✔ 退職前の給与が高かった人は保険料が下がるケースもある


このため、


【重要】

✔ 年収が高い人ほど、任意継続のほうが保険料が下がりやすい
✔ 年収が低い人は、国保のほうが安い場合がある


ここが意思決定の最大ポイントです。


■ 4. 任意継続のメリット(経営者視点で重要)


◆ ① 医療給付の内容が手厚い

協会けんぽ・健保組合は、
国民健康保険より給付が充実している傾向があります。

  • 出産育児一時金
  • 傷病手当金(※任意継続中は新規支給なし)
  • 高額療養費制度の上限が比較的有利

特に 高額療養費の差 は実務で影響が大きい。


◆ ② 保険料の上限により、一定の収入層は国保より安くなる

健康保険組合に加入していた人、
高所得者は任意継続のほうが保険料が低くなることが多い。


◆ ③ 扶養家族を複数入れても保険料は変わらない

国保は扶養人数で保険料が上がるが、
任意継続は 人数に関係なく保険料一定

家族が多いほどメリットが大きい。


◆ ④ 退職後にすぐ入院・通院しても安心

国保への切り替えは時間がかかるため、
任意継続は“つなぎ”としての安全性が高い。


■ 5. 任意継続のデメリット・注意点


◆ ① 保険料が高額になる(約2倍)

中所得層は国保より高くなるケースも。


◆ ② 傷病手当金は新たに支給されない

在職中に受給していた場合は継続受給できるが、
退職後に新たに受給は不可。


◆ ③ 退職後の収入増・減に関係なく保険料は固定

国保と異なり、前年所得に応じた調整がない。


◆ ④ いつでも脱退できるわけではない

脱退は次のいずれかのときのみ。

  • 任意継続の2年満了
  • 国保への加入要件が発生
  • 保険料の滞納

経営者は「1年だけ加入して後でやめる」といった調整ができません。


■ 6. 任意継続と国民健康保険の費用比較(ケース別)

◆ ケース1:家族3人、高所得者(退職前の給与50万円)

→ 任意継続のほうが安くなる可能性大
国保は人数で上がるが、任意継続は一定のため。


◆ ケース2:単身、所得が低い

→ 国民健康保険のほうが安い傾向


◆ ケース3:健康保険組合に加入していた人

→ 任意継続が圧倒的に有利なケース多数
組合保険は給付・保険料とも手厚い。


■ 7. 任意継続への加入手続き(2026年版)


STEP1:退職証明の受け取り(資格喪失証明書など)

会社から受け取る。


STEP2:加入申請書を取り寄せる

協会けんぽはWEBからダウンロード可。
健保組合は組合ごとに違う。


STEP3:退職の翌日から20日以内に提出

※郵送・オンライン提出が可能なケースが増加。


STEP4:保険料を納付

通常は6ヶ月分まとめ払い or 月払い。


■ 8. 任意継続は誰に向いている?(結論)


✔ 家族が多い

✔ 今まで健康保険組合に加入していた

✔ 所得が高く国保の保険料が上がりやすい

✔ 退職後すぐに医療費が発生しそう

✔ 会社都合退職でしばらく無収入

✔ 再就職までの期間が短い(半年以内)


逆に、


✔ 単身で所得が低い

✔ 任意継続の保険料が高すぎる

✔ 国保の軽減制度が使える

✔ 収入が変動する(国保の方が柔軟)


という場合は、
国保のほうがメリットが大きい ことが多いです。


■ 9. まとめ:任意継続は“退職後のリスク管理”として非常に重要

2026年現在、任意継続制度は維持されているものの、
保険料の上限改定や手続きの電子化により、

  • 以前より加入判断が難しい
  • 高所得者はメリット大
  • 低所得者は国保のほうが安いケースがある

という構造となっています。

経営者・役員は、
退職後の自分の保険設計だけでなく、
従業員への案内・説明責任もあるため、
正確な理解が求められます。

任意継続は単なる“継続加入”ではなく、
退職後の医療リスクをどう管理するかという戦略そのもの です。

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