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35億円概算要求・3コース再編・特例措置から読み解く“中小企業が今考えるべきこと”
はじめに|「来年度はどうなる?」と気になっている経営者へ
最低賃金の引上げが毎年続くなかで、多くの中小企業経営者がこう考えています。
- 「令和7年度は業務改善助成金を使いそびれた」
- 「令和8年度は増額されるのか?縮小されるのか?」
- 「今年動くべきか、来年を待つべきか判断が難しい」
結論から言えば、
令和8年度の業務改善助成金は“縮小される可能性は極めて低く”、
むしろ“使いやすさを高めた再設計”が進む見込みです。
本記事では、
令和8年度の概算要求情報(35億円)と制度設計の方向性から、
- 何が変わるのか
- 何が変わらないのか
- 経営者は今、どう判断すべきか
を、実務目線でわかりやすく解説します。
業務改善助成金とは何か(おさらい)
業務改善助成金は、
- 事業場内最低賃金を一定額以上引き上げ
- 生産性向上に資する設備投資・業務改善投資を行った場合
に、
その 設備投資等にかかった費用の一部を国が助成する制度です。
単なる「賃上げ補填」ではなく、
賃上げ → 生産性向上 → 利益体質への転換
を促すための 構造改革型助成金 である点が最大の特徴です。
令和8年度 業務改善助成金の全体像(概算要求ベース)
● 予算規模:35億円
令和8年度は、
業務改善助成金として約35億円規模の予算が概算要求されています。
これは、
- 最低賃金の継続的な引上げ
- 地方・中小企業への影響の大きさ
を踏まえたうえで、
「賃上げ対応は一時的な政策ではなく、恒常的な支援が必要」
という国のスタンスが明確になっている証拠です。

令和8年度の注目ポイント①
賃金引上げ額を「3コース制」に再編
令和8年度では、
賃金引上げ額の区分を3コース制に再編する方向が示されています。
なぜ再編されるのか?
従来の業務改善助成金は、
- 区分が細かく分かりにくい
- 「どのコースを選べばいいのか判断しづらい」
という声が多くありました。
今回の再編は、
- 制度をシンプルに
- 経営者が直感的に判断できる形へ
👉 「使いにくい助成金」から「使う前提の助成金」へ
という明確な方向転換です。
令和8年度の注目ポイント②
地域別最低賃金改定日前までの「特例措置」
今回の概算要求で、実務上もっとも重要なのがこの点です。
特例措置の内容(要点)
- 地域別最低賃金が改定される
「その前日までの一定期間」 - その期間については、
- 事業場内最低賃金
- 地域別最低賃金
の差額要件について
👉 地域の実情に応じた特例措置を講じる
とされています。
この特例措置が意味する“本当の狙い”
これまで多くの企業が、
- 「最低賃金改定が近づいて条件を満たせなくなった」
- 「あと少し早ければ申請できた」
という理由で申請を断念してきました。
今回の特例措置は、
- 地方
- 最低賃金水準が低い地域
- 人件費上昇の影響を強く受ける業種
に配慮し、
「タイミングの不利で脱落する企業を減らす」
ための制度設計です。
令和7年度と令和8年度はどう違うのか
変わらない点
- 賃上げ+生産性向上投資がセット
- 設備投資・業務改善が助成対象
- 中小企業・小規模事業者が対象
変わる可能性が高い点
- 賃金引上げ区分の整理(3コース)
- 申請タイミングの柔軟化
- 地域特性を踏まえた特例措置
👉 「厳しくなる」のではなく、「現実に合わせて整える」方向
と見て問題ありません。
結局、令和7年度と令和8年度、どちらで動くべきか?
ここが経営判断として最も重要なポイントです。
原則的な考え方
✔ 使えるなら、先に使う
✔ 助成金は「後出し有利」にならない
✔ 予算には必ず上限がある
つまり、
「令和8年度の方が良くなるかもしれないから待つ」
という判断は、
結果的に“どちらも逃す”リスクを高めます。
こんな企業は「今」動くべき
- すでに最低賃金引上げの影響を受けている
- 設備投資・業務改善を検討している
- 人手不足・属人化に悩んでいる
- 賃上げを利益につなげたい
これらに当てはまる場合、
令和7年度での活用を前提に検討する価値は極めて高いと言えます。
まとめ|令和8年度 業務改善助成金をどう捉えるべきか
- 令和8年度は 35億円規模で概算要求
- 賃金引上げ区分は 3コース制に再編予定
- 最低賃金改定日前までの 特例措置で“使える企業を増やす”設計
- 縮小ではなく 実質的な使いやすさ向上
そして何より重要なのは、
「制度がどうなるか」より
「自社がいつ動くか」
です。