Contents
- 1 ✔ 夫が会社員として厚生年金に加入している期間
- 2 ✔ 夫が定年退職した瞬間
- 3 ■ 1. 専業主婦の年金「第3号被保険者」は夫の厚生年金に依存している
- 4 「夫の厚生年金加入に付随する制度」
- 5 ■ 2. 夫の定年(厚生年金脱退)とともに、妻は「第3号 → 第1号」へ変更
- 6 ■ 3. 妻が第1号被保険者になると、国民年金保険料を自分で支払う
- 7 専業主婦でも“自分で年金保険料を払う時期”が来る。
- 8 ■ 4. 夫の定年が65歳より早い場合(60歳退職など)は特に要注意
- 9 ■ 5. 夫が自営業者になった場合
- 10 ■ 6. 妻が60歳以上の場合の取り扱い
- 11 ■ 7. 妻がパート勤務で厚生年金加入の場合は?
- 12 妻は第2号被保険者扱い
- 13 ■ 8. 「第3号のまま」の誤解とトラブル(未納扱い)
- 14 ■ 9. 必ず押さえるべき「専業主婦の年金が減る典型パターン」
- 15 ■ 10. 経営者の家庭で特に注意すべきこと
- 16 ■ 11. まとめ:夫の定年と同時に「妻の年金制度が変わる」ことを必ず確認すべき
- 17 ✔ 夫の定年→厚生年金脱退
- 18 ✔ 妻は必ず「第1号」へ種別変更手続きが必要
- 19 ✔ 第1号になると国民年金保険料を自分で負担
- 20 ✔ 夫が再雇用で厚生年金に入れば妻は第3号継続
- 21 ✔ 妻がパートで厚生年金加入なら夫の退職は無関係
- 22 ✔ 手続きを忘れると未納扱いになり将来の年金が減る
──第3号被保険者の終了、保険料の発生、手続きの落とし穴まで経営者も押さえるべき基礎知識
「夫が定年退職したら、専業主婦の妻は国民年金を払う必要があるのか?」
この質問は、年金相談の中でもとても多いテーマです。
結論からいうと…
✔ 夫が会社員として厚生年金に加入している期間
→ 妻は「保険料を払わなくてもよい(第3号被保険者)」
✔ 夫が定年退職した瞬間
→ 妻は第3号資格を失い、
→ 自分で国民年金保険料を払う必要がある(第1号被保険者)
にもかかわらず、
この切り替え手続きをしていない家庭が非常に多く、
後から未納扱いとなり、
年金が減ってしまうケースが後を絶ちません。
本記事では、2025年の最新制度を踏まえつつ、
「夫の定年と専業主婦の国民年金保険料」について整理し、
経営者の家庭でも絶対に知っておくべき重要ポイントをまとめます。
■ 1. 専業主婦の年金「第3号被保険者」は夫の厚生年金に依存している
まず理解すべきは、
専業主婦(または年収130万円未満のパート主婦)が
保険料を払わずに年金加入できるのは、
夫が厚生年金に加入している場合に限られること。
専業主婦の基礎年金は、
「夫の厚生年金加入に付随する制度」
なのです。
そのため、夫が厚生年金から離れれば、
その瞬間に妻の“保険料免除の権利”は消滅します。
■ 2. 夫の定年(厚生年金脱退)とともに、妻は「第3号 → 第1号」へ変更
夫が会社を退職し、
厚生年金の資格を失うと、
自動的に妻の第3号資格も終了します。
これは 自動的に第1号になるわけではなく、手続きが必要 です。
【妻がすべきこと】
● 市区町村役場で
「国民年金第1号被保険者への種別変更届」
を提出する。
【提出期限】
夫の厚生年金資格を失った日から 14日以内
これを怠ると後で未納になるため要注意。
■ 3. 妻が第1号被保険者になると、国民年金保険料を自分で支払う
2025年の国民年金保険料は 月額17,500円前後(予定) です。
夫の定年後は、この保険料を妻自身が負担します。
つまり、
専業主婦でも“自分で年金保険料を払う時期”が来る。
60歳になるまでの年齢が若いほど、
支払う期間も長くなります。
■ 4. 夫の定年が65歳より早い場合(60歳退職など)は特に要注意
多くの会社が「60歳定年 → 再雇用」ですが、
再雇用の場合の厚生年金加入がどうなるかにより、
妻の第3号資格も変わります。
◆ パターン① 再雇用後も厚生年金に加入する場合
→ 妻は引き続き 第3号のまま
→ 保険料の負担なし
◆ パターン② 再雇用後は厚生年金に加入しない場合
→ 妻は 第1号に変更し、自分で支払う必要
この判断は会社の雇用条件によるため、
「夫が厚生年金に加入し続けているか」を確認することが重要です。
■ 5. 夫が自営業者になった場合
夫が独立し個人事業主になると、
-
夫 → 第1号
-
妻 → (専業主婦なら)第1号
となり、
夫婦ともに国民年金保険料が必要です。
これは 法人成り後に専従者が第3号にならない という誤解が多いため要注意。
■ 6. 妻が60歳以上の場合の取り扱い
妻が60歳になっていれば、
第1号への切り替え後、
-
国民年金への加入義務がない
-
ただし「任意加入」を選ぶと年金額を増やせる
という選択肢があります。
2025年の制度では、
任意加入は 65歳まで・場合によっては70歳まで 延長でき、
年金額の増額が可能。
■ 7. 妻がパート勤務で厚生年金加入の場合は?
ここが最大の誤解ポイント。
妻がパート勤務で、
-
週20時間以上
-
年収106万円以上(特定要件あり)
などで
妻自身が厚生年金に加入している 場合は、
妻は第2号被保険者扱い
→ 夫の退職と無関係
→ 第3号の扱い自体が存在しない
です。
つまり、夫の定年の影響を受けません。
■ 8. 「第3号のまま」の誤解とトラブル(未納扱い)
現実の相談では、次のようなケースが非常に多い。
● 夫が退職したことに気づかず
妻が第3号のままだと思い込み、何年も未納になる
→ 最悪の場合、将来の年金額が数十万円減少
→ 追納期間が過ぎてしまうこともある
ここが本当に重要で、
夫婦で制度理解をしていないと損をします。
■ 9. 必ず押さえるべき「専業主婦の年金が減る典型パターン」
以下のケースでは、
専業主婦の将来の老齢基礎年金(満額77.7万円)が
満額に到達しない可能性があります。
✔ 第3号 → 第1号への変更手続きを忘れる
✔ 第1号の保険料を払わない(未納)
✔ 免除を利用しても増額されないことがある
✔ 60歳以降に加入せず“空白期間”ができる
✔ 離婚・夫の死亡で第3号資格が消滅したのに放置
年金の空白期間(未納期間)は、
非常に大きな損失になります。
■ 10. 経営者の家庭で特に注意すべきこと
経営者家庭では、
定年前後や事業変更により次のような影響があります。
◆ ケース①:夫が定年後に「顧問契約・嘱託」で厚生年金に入らない
→ 妻は自分で国民年金を支払う必要
◆ ケース②:夫が個人事業主として独立
→ 妻は第1号に変更する必要あり
◆ ケース③:夫が再雇用されても「短時間労働で厚生年金に入らない」
→ 妻は第3号のままではいられない
◆ ケース④:夫婦ともに60代の場合
→ 任意加入を活用すると老齢基礎年金を増やせる
経営者は勤務形態が自由度が高いため、
妻の年金制度が“固定されていない”点を理解すべきです。
■ 11. まとめ:夫の定年と同時に「妻の年金制度が変わる」ことを必ず確認すべき
最後に要点をまとめます。
✔ 夫の定年→厚生年金脱退
→ 妻は第3号の資格を失う
✔ 妻は必ず「第1号」へ種別変更手続きが必要
(14日以内)
✔ 第1号になると国民年金保険料を自分で負担
✔ 夫が再雇用で厚生年金に入れば妻は第3号継続
✔ 妻がパートで厚生年金加入なら夫の退職は無関係
✔ 手続きを忘れると未納扱いになり将来の年金が減る
「第3号のままと思っていたら実は未納」というケースは、
本当に多く発生します。
経営者家庭でも
会社の退職・勤務形態の変更が多いため、
夫婦で制度理解を共有することが重要です。