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はじめに
持続化補助金においては「申請内容が採択された=すぐ補助金が入る」というわけではありません。交付決定を受けるためには、補助対象経費の妥当性を示す 見積書等の提出 が必須です。
2025年の公募要領・事務局案内では、この見積書に関する説明が大幅に強化され、具体的なルールが細かく示されました。特に 中古品の扱い・相見積の必要条件・店頭購入やネット購入の証明方法 が明文化されています。
本記事では、新たに追加された見積書ルールを網羅的に解説し、申請者がつまずきやすいポイントを整理します。
1. 見積書提出の目的と基本ルール
見積書は「経費の価格が社会通念上妥当であるか」を確認するために必要です。
申請時に書いた経費明細(様式3)の内容が正しいかどうかを裏付ける証拠書類として、採択後に必ず求められます。
基本ルール
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すべての経費について見積書が必要
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提出された見積内容に基づいて審査を経て「交付決定」が下される
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不備があると修正・差し替えが求められ、交付決定が遅れる可能性あり
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審査には1~2か月かかる場合があるため、早めの準備が必要
2. 相見積が必要となるケース
必須条件
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発注総額100万円(税込)を超える場合:2者以上の見積が必要
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中古品を購入する場合:金額にかかわらず、2者以上の見積が必要
注意点
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相見積を取る業者は必ず実在する販売業者であること
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オークションや個人間取引での見積は認められない
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見積依頼時には「補助事業者自身が取得する」必要がある
3. 店頭購入やネット購入の扱い
店頭購入
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商品写真と、店頭価格が確認できる写真を添付すれば見積書代替が可能
ネット購入
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金額がわかる画面コピー(スクリーンショット等)で代替可能
4. 見積書の必須記載事項
補助金の見積書は、一般的な取引以上に細かい記載が求められます。以下の6点が必須です:
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発行日
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書類の名称(見積書であることが分かる)
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宛名(必ず補助事業者宛)
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発行者(業者の正式名称)
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見積金額(税抜/税込の区別が明記)
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取引内容(具体的な品名・数量。「一式」「他」などは不可。中古品はその旨明記)
5. 創業型に特有の追加ルール
創業型ではさらに、以下の追加ルールが設定されています:
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様式3(経費明細表)と見積書の金額が一致していること
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もし異なる場合は、様式3を修正・再提出する必要がある
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ただし「補助金交付申請額合計(応募時の上限)」を超える修正は不可
6. よくある不備と失敗事例
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「税込/税抜」が不明確で金額が不一致
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「一式」と書かれた見積で詳細が不明
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発行日や宛名の記載漏れ
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申請時の経費と見積金額が一致していない
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店頭購入で証憑写真を忘れる
これらの不備があると交付決定が遅れ、結果的に補助事業の開始も遅れるリスクがあります。
7. 実務対応のポイント
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採択が決まったら、すぐに業者に見積依頼を行う
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中古品は特に相見積必須なので、事前に複数業者をリストアップ
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様式3と金額がズレないよう、見積依頼の際に仕様を明確に伝える
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「証拠書類セット(見積書+領収書+振込明細+写真)」を一括で管理する
まとめ
2025年の持続化補助金では、見積書に関するルールが大幅に強化されました。
特に「相見積の条件」「中古品の扱い」「店頭・ネット購入の証明方法」「見積書の必須記載事項」「様式3との金額整合性(創業型)」が明確に示されています。
これらを理解して準備することで、交付決定までスムーズに進められ、補助金を確実に受け取れる可能性が高まります。
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