2025年6月19日、中小企業省力化投資補助金(一般型)第1回公募の採択結果が正式発表されました。本記事では、最新の採択件数・応募件数・採択率のデータに基づき、採択された業種・補助金額・企業規模別の傾向を読み解き、今後の申請戦略を徹底的に解説します。
Contents
1. 採択実績データ(第1回公募)
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✅ 応募件数:1,809件
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✅ 採択件数:1,240件
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✅ 採択率:68.5%
採択率はなんと約7割と高水準に。要件や補助対象が明確な制度設計であったことや、支援機関の関与が大きく影響していると考えられます。
2. 業種別の採択傾向(全体を把握する)
※このデータは採択1,240件に基づく業種別比率
(表は前述の内容と同様の比率、製造業が6割超)
3. 補助金申請額の傾向
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最も多いのは1,500〜1,750万円(17.6%)
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続いて750〜1,000万円(12.3%)、2,000〜3,000万円(14.1%)
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申請上限ギリギリを狙う傾向が強い
4. 企業規模別の傾向(従業員数)
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6〜30名が中心層(約34%)
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5名以下の小規模事業者は12.5%
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101名以上の中堅企業も一定数(12.1%)
5. 採択タイトルにみる投資傾向
実際の採択タイトルから、代表的な投資テーマを分類すると以下のようになります:
(1)製造業
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ロボットアーム、AGV、自動検査装置の導入
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AIカメラ+画像認識による外観検査工程の自動化
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熱処理炉の自動搬送+連携システム導入
(2)建設業
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ドローンによる測量
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自動レベル計測器+BIMソフトの連携
(3)卸・物流業
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ピッキング工程の自動化(AMR・搬送ロボ)
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自動棚卸しシステム導入、在庫最適化ソフト
(4)サービス業(飲食・宿泊・教育など)
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自動調理機器、券売機、タブレットオーダー
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清掃管理システム、無人チェックイン設備
6. 成功のための戦略的示唆
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「省力化+業務プロセス改革+賃上げ」をセットで語れるかが鍵
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設備ありきではなく、導入後の“人の再活用”を描けているかが重要
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採択率が高いからといって油断せず、完成度の高い計画が求められる
✅ 採択されにくい傾向
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機器導入が目的化している
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汎用的な説明のみで、業務フローの改善が描かれていない
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賃上げが数値だけで、根拠や原資が不明
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導入後の効果やリスクの検証が不足
7. 第2回・第3回公募に向けた準備
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第2回はすでに終了(5月30日締切)
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第3回公募は2025年8月下旬締切予定
まとめ
省力化投資補助金の第1回公募は、制度開始初年度ながら非常に高い採択率を記録しました。今後は、申請件数の増加や事業者の成熟により競争が激化する可能性もあります。今のうちに、以下のような体制を整えておきましょう。
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✔️ 自社課題の棚卸し
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✔️ 導入機器の候補リスト化
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✔️ 作業時間・人員配置の定量分析
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✔️ 計画作成パートナー(支援機関)との連携
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