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1. 制度の目的と背景
大阪府では、物価高騰や人手不足といった経営環境の厳しさを背景に、中小企業が新しい事業分野へ進出するためのチャレンジや、生産性を向上させる省力化投資を支援する目的で「新事業展開テイクオフ補助金」を実施しています。
この補助金は、国の「地方創生臨時交付金」を活用したもので、新規事業の立ち上げや既存事業の業務効率化、人材採用、デジタル化など、実務的な課題に対応した補助内容が特徴です。
2. 対象者と補助対象事業
対象者
以下のいずれかに該当する、大阪府内の中小企業が対象です。
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法人(大阪府内に本店または主たる事業所がある)
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個人事業主(大阪府内に住所または主たる事業所がある)
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協業組合・企業組合
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一般社団法人(構成員の3分の2以上が中小企業)
※大企業の子会社など、支配関係がある企業は対象外
対象外となる例
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税金未納者
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暴力団関係者
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虚偽の申請があった場合
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過去の同様の補助金で採択された事業と同じ内容で申請する場合
3. 補助対象となる事業区分
申請はいずれか1つの区分に限られます。
(1)新規事業推進枠
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異業種進出、新製品・サービスの開発など
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例:建設会社が測量業務に進出、飲食業がEC販売に挑戦など
(2)生産性向上枠
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自社の業務改善、省力化投資
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例:配膳ロボット導入、需要予測AI導入など
4. 補助金額・補助率
項目 | 内容 |
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補助率 | 補助対象経費の1/2以内 |
補助上限額 | 原則100万円(特定業種は150万円) |
上乗せ対象(+50万円) | 建設業・運輸業・宿泊業・飲食業で、人手不足対策実施の場合 |
※補助金は後払い(実績報告→検査→確定→請求→支払い)
5. 補助対象経費の例
【共通】
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機械装置・システム構築費
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開発費
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専門家経費(上限:日額5万円)
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外注費(補助対象経費の50%まで)
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知的財産権関連経費(特許、翻訳費など)
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広告宣伝・販売促進費(展示会、チラシ、動画など)
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研修費(補助対象経費の1/3まで)
【注意】
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自社人件費、家賃、汎用品(PC等)、税理士報酬、飲食・接待費、交通費(宿泊費含む)などは原則対象外
6. 申請までのステップ
(1)セミナー受講(必須)
申請には、指定のセミナーを1回以上受講する必要があります。受講後に申請フォームURLが通知されます。
(2)電子申請
書類は郵送不可。すべて電子申請で行います。
【主な提出書類】
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補助金交付申請書
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事業計画書(電子入力)
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補助対象経費の支出計画書(電子入力)
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要件確認申立書
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暴力団等審査情報
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登記事項証明書または住民票
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確定申告書の写し
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納税証明書(国税・府税)
7. 審査のポイント
【新規事業推進枠】
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事業の独自性・新規性
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実現可能性と継続性
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地域社会や雇用への波及効果
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売上予測の妥当性
【生産性向上枠】
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業務改善・省力化の明確な成果
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設備投資の合理性
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効果予測(人時生産性の向上など)
【加点項目】
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人手不足解消への取り組み
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BCP(事業継続計画)の策定・予定あり
8. 補助事業のスケジュール
ステップ | 期間・内容 |
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募集期間 | 令和7年5月26日(月)〜6月25日(水)17:00締切 |
審査・交付決定 | 8月上旬予定 |
補助事業実施期間 | 交付決定日~令和8年1月31日 |
実績報告期限 | 補助事業完了日から14日以内または2月13日まで |
補助金の交付請求・支払い | 令和8年3月13日までに請求、支払いは検査後 |
9. 活用のポイント
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【中小企業者の新規挑戦】を真剣に支援する補助制度。異業種展開、既存資源の再活用、人手不足対策など、現場の課題に根ざした取組に適しています。
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事業計画書の完成度と、補助金の「使い方の明確さ」が採択のカギ。
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書類の不備や曖昧な記載は審査対象外になるため注意が必要。
まとめ
「テイクオフ補助金」は、単なる資金支援ではなく、地域産業の成長を本気で後押しする制度です。異業種展開や業務効率化への挑戦に対して、最大150万円の後押しが得られるチャンスです。特に、人手不足を抱える企業や、事業の多角化を検討中の事業者は、制度を積極的に活用して、新たな一歩を踏み出しましょう。
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