海外進出に使える資金調達「クロスボーダーローン」とは?

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日本政策金融公庫が提供する「海外展開・事業再編資金(クロスボーダーローン)」は、海外進出を検討している中小企業にとって強力な資金調達手段です。この制度は、特定の要件を満たした中小企業に限定されており、資金調達力を強化することを目的としています。

対象者の要件

この制度を利用できる企業は、次の3つの条件のいずれかに該当する企業です:

  1. 中小企業等経営強化法に基づく「経営革新計画」の承認を受けた中小企業の海外現地法人
  2. 中小企業等経営強化法に基づく「経営力向上計画」の認定を受けた中小企業の海外現地法人
  3. 地域未来投資促進法に基づく「地域経済牽引事業計画」の承認を受けた中小企業またはみなし中小企業の海外現地法人

このように、一定の計画や認定を受けた企業に限定されているため、事前に各種認定を取得する必要があります。

融資限度額と資金用途

融資限度額は、別枠14億4千万円(うち長期運転資金9億6千万円)で、設備投資や運転資金として活用できます。特に、事業拡大に伴う設備投資や、海外でのビジネス拠点の設立費用などに役立つ資金となっています。

  • 設備資金:生産拠点や店舗の設立、機械設備の導入に使えます。
  • 長期運転資金:在庫の購入や海外での販路拡大など、事業運営に必要な資金を支えるものです。

対象となる主な事業

この融資は、主に海外での新たなビジネス展開や、現地法人設立を目的とする中小企業向けに設計されています。既に海外市場に進出している、あるいは進出を考えている企業が、さらなる事業拡大や再編を進める際に非常に有用です。

信頼のサポート

日本政策金融公庫が提供するこの制度は、海外進出を目指す中小企業にとって安心して利用できる融資制度です。また、専門家からのサポートも得られるため、申請や資金管理においても手厚いフォローが期待できます。

メリットと利用の流れ

この融資の大きなメリットは、高額な融資限度額に加え、通常の融資とは別枠での取り扱いが可能な点です。これにより、通常の融資枠を圧迫せずに資金調達ができます。

  1. 計画の作成・承認:まずは経営革新計画や経営力向上計画の作成と承認を受けます。
  2. 融資申請:日本政策金融公庫に対し、必要な書類を提出し、融資の審査を受けます。
  3. 融資の実行:審査を通過すれば、必要な資金が提供されます。

クロスボーダーローンを成功させるためのポイント

  • 事前準備を万全に:海外展開や事業再編に伴う資金ニーズやリスクをしっかりと把握し、資金計画を綿密に立てることが重要です。特に為替リスクや現地法規制についても慎重に調査し、予測可能なリスクに備える必要があります。
  • 専門家のアドバイスを活用:日本政策金融公庫の融資を活用する際には、同時に専門家のサポートを積極的に利用しましょう。専門家のアドバイスに基づく事業計画は、融資審査の際にも有利に働く可能性があります。

まとめ

日本政策金融公庫の「海外展開・事業再編資金(クロスボーダーローン)」は、国際的な事業展開を目指す中小企業にとって、非常に強力な資金調達手段です。特に、タイミングを逃さずに資金を調達し、海外市場でのビジネスを成功させるためには、このローンの活用が重要です。経営リスクを軽減しつつ、国際的なビジネス展開を積極的に進めるために、クロスボーダーローンを活用することを検討してみてはいかがでしょうか。

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