Contents
─総合経済対策21.3兆円時代の「補助金・税制・金融支援」を完全整理
2025年11月21日、政府は総額 21.3兆円規模の総合経済対策 を閣議決定しました。
この中には、中小企業・小規模事業者の賃上げ、生産性向上、資金繰り支援、成長投資、省力化投資を強力に後押しする、1兆円規模の支援パッケージが含まれています。
さらに、内閣府が公表した各種政策ファイルでも、2026年に向けた補助金・助成金・税制・金融支援が網羅的に示されています。
(引用:総合経済対策政策ファイル、経済効果資料、概要資料 )
本記事では、これらの正式資料をもとに、2026年に中小企業が確実に使える経済対策を完全整理します。
◆総合経済対策の全体像(2025年〜2026年)
総合経済対策は、以下の三本柱で構成されています。
(引用:政策ファイル)
①生活の安全保障・物価高への対応
物価高に対応し、家計と企業の負担を軽減。
②危機管理投資・成長投資の強化
AI・半導体、造船、宇宙、海洋、食料安全保障など、国家戦略分野の官民投資を本格化。
③防衛力と外交力の強化
日米関税対応、国際経済環境変化への対応、自衛隊・防衛産業の強化。
◆2026年 中小企業が使える主な対策一覧
以降では、特に中小企業に直接関係する「補助金・助成金・税制・金融」を中心に網羅します。
1.【賃上げ・人件費対策】
1-1 重点支援地方交付金(中小企業向け枠拡充)
地方自治体を通じて中小企業を支援する制度。
引用【内閣府HP】
支援内容
-
賃上げ環境の整備
-
経営指導員による伴走支援
-
生産性向上に向けた補助・助言
-
公共調達における労務費・資材高騰の価格転嫁促進
-
LPガス、特別高圧のエネルギー高騰対策
-
学校給食費などの物価高騰対策
2026年も継続拡大の方針が明記されています。
1-2 業務改善助成金の大幅拡充(最大600万円)
最低賃金引上げを行う中小企業に対し、設備投資を支援する制度。
引用【内閣府HP】
特徴
-
最大 600万円
-
賃上げ+設備投資(省力化機器導入・DX)が対象
-
対象業種:飲食、宿泊、小売、製造、医療、介護、保育、農林水産など
→ さらに「警備業」が2026年より追加予定
最低賃金の毎年引上げに伴い、利用価値は非常に高い政策です。
2.【省力化投資・DX支援】
2-1 「省力化投資促進プラン」の本格実施
人手不足12業種+警備業を中心に、国が定めた省力化投資の重点支援。
引用【内閣府HP】
注目ポイント
-
中小企業の省力化投資を集中的に支援
-
導入例:自動化機器、POS連携、製造自動化、省エネ設備、介護ロボットなど
-
優良事例の横展開 → 審査でも重視される傾向
2026年も“省力化補助金”が強化される見込みです。
3.【成長投資・事業承継・M&A】
3-1 100億宣言企業(スケールアップ支援)
売上100億円を目指す企業を「スケールアップ企業」と定義し、投資を強力支援。
引用【内閣府HP】
支援例
-
設備投資補助
-
デジタル化支援
-
海外展開サポート
-
M&Aの推進
3-2 事業承継・M&A支援の強化
引用【内閣府HP】
-
中小M&A資格制度の創設
-
事業承継・引継ぎ支援センターの機能強化
-
譲渡側の不安を解消する新制度
-
信用保証制度の新設(予兆管理機能の強化)
事業承継M&A補助金も2026年に大幅拡充される可能性が高いと予測されます。
4.【エネルギーコスト対策】
4-1 電気・ガス料金の負担軽減(2026年1〜3月)
引用【内閣府HP】
-
低圧:▲4.5円/kWh(1〜2月)、▲1.5円(3月)
-
高圧:▲2.3円/kWh(1〜2月)、▲0.8円(3月)
-
ガス:▲18円/㎥、▲6円/㎥
3ヶ月で平均約7,000円の負担軽減
中小企業にとっては冬場のコスト削減効果が大きい。
4-2 ガソリンの暫定税率廃止に向けた補助
引用【内閣府HP】
-
ガソリン補助:▲25.1円/L
-
軽油補助:▲17.1円/L
物流・建設・製造・小売など幅広い業種で恩恵があります。
5.【AI・半導体・デジタルインフラ支援】
5-1 AI法に基づくAI投資・活用支援
引用【内閣府HP】
支援内容
-
AIの社会実装(AIエージェント、フィジカルAI)
-
AI安全性機関(AIセーフティ・インスティテュート)強化
-
AI for Scienceなど研究開発支援
半導体支援も最大1.7兆円規模の投資が進行中
中小企業もサプライチェーンの一員として間接的恩恵を受けます。
6.【造船・宇宙・海洋・重要鉱物】
国家戦略分野への大規模投資により、中小企業も関連受注が増加する可能性。
(造船)
(宇宙)
(海洋)【内閣府HP】
7.【食料安全保障(農林水産業)】
農業者向けの大規模支援。
引用【内閣府HP】
支援ポイント
-
農地大区画化
-
スマート農業
-
新品種の開発・導入
-
輸出向け産地育成
8.【人への投資・教育支援】
引用【内閣府HP】
-
リスキリング(非正規含む全国展開)
-
理工・デジタル系の大学・高専強化
-
成長分野転換基金の拡充
9.【防衛・外交・国際リスク対応】
引用【内閣府HP】
-
日米関税措置に伴うセーフティネット貸付(中小向け)
-
金利引下げ措置
-
補助金の優先採択
-
輸出多角化支援(ジェトロ伴走支援)
◆まとめ:2026年は「省力化・賃上げ・成長投資元年」
2026年の経済対策を総合すると、中小企業にとって最重要キーワードは次の通り。
◎2026年 中小企業の最重要キーワード
【1】省力化投資 × 生産性向上
【2】賃上げ環境の整備(助成金・価格転嫁)
【3】事業承継・M&A促進
【4】エネルギー・燃料費の負担軽減
【5】AI・DX投資への本格シフト
【6】グローバル経済変動への備え(関税対応)
◆経営者は何をすべきか?
①省力化補助金・賃上げ助成金の早期活用
-
省力化投資促進プラン
-
業務改善助成金(最大600万円)
②2026年税制改正の「大胆な設備投資税制」に備える
即時償却・税額控除の拡充が示唆。
③事業承継・M&A補助金の活用準備
「2026年度は拡大確実」。
④エネルギーコスト対策の恩恵を最大化
2026年1〜3月の値引きは必ず確認。