多くの経営者は、
「会社の将来の資金計画」には精通していますが、
「自身の老後の資金計画」については曖昧なままです。
特に個人事業主や小規模法人の代表は、
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厚生年金が少ない
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給与を抑えて役員報酬を低めにしている
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国民年金のみの時期がある
-
会社の資金繰りを優先して個人年金の準備を後回しにしてきた
といった背景から、
老後の公的年金が極端に少ない“年金弱者”になりやすい傾向があります。
にもかかわらず、
経営者が「最も軽視している制度」の1つが
今回のテーマである 付加年金 と 国民年金基金 です。
これらは公的制度にもかかわらず、
“社長の老後資金を堅実に増やす最も効率的な方法”であり、
相続財産の安定源にもなり得ます。
しかしその存在すら知らず、
結果として老後資産形成を後回しにしてしまう経営者が非常に多いのです。
この記事では、
経営者にとって付加年金+国民年金基金がなぜ重要なのか?
どう使うべきか?
相続の視点ではどう考えるべきか?
を、専門用語を排除しながら徹底的にわかりやすく解説します。
Contents
- 1 1. まず、なぜ経営者こそ「付加年金」と「国民年金基金」を知るべきなのか?
- 2 ■ 経営者は“老後の公的年金が最も少なくなりやすい立場”だから
- 3 ■ 老後の資産不足で困るのは “会社” ではなく “社長本人”
- 4 2. 付加年金とは「月額400円の最強投資」──利回りは実質 7% 以上
- 5 ■ 付加年金の基本
- 6 ■ “たった2年で元が取れる”=実質利回り7〜10%超
- 7 3. 国民年金基金とは「自営業者・社長のための公的な企業年金」
- 8 ■ 国民年金基金とは
- 9 ■ 終身受け取れる(=長生きリスクをゼロにできる)
- 10 4. 付加年金と国民年金基金は「どちらを選ぶべき?」
- 11 ■ 付加年金は“必ず加入すべき”レベルの制度
- 12 ■ 国民年金基金は「余裕があれば使うべき制度」
- 13 5. 経営者のライフプランに与える影響(老後・相続の視点)
- 14 ① 老後キャッシュフローの安定
- 15 ② 会社依存の構造からの脱却
- 16 ③ 相続時の現金不足リスクの軽減
- 17 ④ 未支給年金として相続人が請求できるケースも
- 18 6. 付加年金・国民年金基金を活用した“経営者向け年金戦略”
- 19 7. まとめ|付加年金+国民年金基金は「経営者の最強の土台」である
- 20 ■ 付加年金:最強の利回り
- 21 ■ 国民年金基金:終身の安心
1. まず、なぜ経営者こそ「付加年金」と「国民年金基金」を知るべきなのか?
理由は非常にシンプルです。
■ 経営者は“老後の公的年金が最も少なくなりやすい立場”だから
会社員であれば厚生年金と企業年金があるため年金額は手厚くなりますが、
個人事業主や小規模法人の社長は、
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国民年金のみの期間がある
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経営上の判断で役員報酬が少なくなる
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役員報酬を低く設定した結果、厚生年金も少ない
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起業後しばらくは加入が遅れる場合もある
などの理由で、
老後2000万円問題どころではないケースが珍しくありません。
しかし現実はこうです。
■ 老後の資産不足で困るのは “会社” ではなく “社長本人”
会社の資金繰りは改善できても、
自分の老後資金は取り戻せません。
だからこそ経営者には、
公的制度の中で最も効率的に“上乗せ年金”を作れる
付加年金と国民年金基金を理解する価値があるのです。
2. 付加年金とは「月額400円の最強投資」──利回りは実質 7% 以上
付加年金は、
国民年金(第1号被保険者)が使える“任意の上乗せ年金制度”です。
■ 付加年金の基本
・毎月400円を支払う
・受け取る年金が「200円 × 加入月数」増える
・終身で受けられる
・利回りが圧倒的に高い
■ なぜ利回りが高いのか?
例えば付加年金を10年間支払うと、
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支払額:400円 × 12ヶ月 × 10年= 48,000円
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増える年金:200円 × 120ヶ月= 24,000円/年
たった4.8万円の投資で、
毎年2.4万円が終身で入ってきます。
つまり…
■ “たった2年で元が取れる”=実質利回り7〜10%超
経営者ならすぐわかるはずです。
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リスクなし
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終身
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元本割れなし
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国が保証
こんな投資商品、他にありません。
付加年金は間違いなく
日本の公的制度の中で最もコスパの良い年金商品
と言っていい制度です。
3. 国民年金基金とは「自営業者・社長のための公的な企業年金」
付加年金よりも大きく老後資金を積み上げたい経営者が利用すべきなのが
国民年金基金 です。
■ 国民年金基金とは
・国民年金の“上乗せ”として加入できる公的な年金
・個人版の企業年金のような位置づけ
・掛金は全額「所得控除」
・終身年金が選べる(これが最大の強み)
経営者の多くが誤解しているのは、
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私的年金(保険会社の年金)
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iDeCo
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国民年金基金
これらの「違い」です。
特に国民年金基金は、
■ 終身受け取れる(=長生きリスクをゼロにできる)
これは非常に大きいです。
■ 国民年金基金の主な特徴を簡単にまとめると
| 項目 | 国民年金基金 |
|---|---|
| 対象 | 国民年金の第1号被保険者 |
| 年金の種類 | 終身・確定・遺族付など選べる |
| 掛金 | 経営者は上限23,000円(付加年金と合わせて) |
| 税制メリット | 掛金全額が所得控除 |
| 運用 | 積立方式(安全性が高い) |
| 破綻リスク | 極めて低い(公的制度扱い) |
■ 経営者にとっての最大のメリット
税金でお金を作りながら、終身の年金が積み上がる。
これは事業で言えば、
「税金の支払いを減らしながら、確実に収益源を作る」
というのと同じ構造です。
経営者にとっては極めて相性が良い制度と言えます。
4. 付加年金と国民年金基金は「どちらを選ぶべき?」
結論から言うと、
■ 付加年金は“必ず加入すべき”レベルの制度
理由は単純に利回りが圧倒的に高いからです。
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低コスト
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高リターン
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元本割れなし
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最短2年で回収
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国が運営
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経営者のリスクゼロ
これを利用しない理由がありません。
一方で、
■ 国民年金基金は「余裕があれば使うべき制度」
次のような人は特に有効です。
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国民年金しか入っていない時期が長い
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厚生年金が十分でない
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独立して収入が安定した
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税金の圧縮もしたい
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終身年金を欲しい
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iDeCoの運用リスクが気になる
国民年金基金は、
“年金版のサブスクリプション収入”を作るイメージで利用すると非常に効果的です。
5. 経営者のライフプランに与える影響(老後・相続の視点)
付加年金と国民年金基金は
経営者の老後と相続に対して以下のような大きな効果があります。
① 老後キャッシュフローの安定
経営者は、老後も一定の生活費が必要です。
しかし、会社の業績に依存しない“公的な終身年金”が増えることは大きな安心になります。
② 会社依存の構造からの脱却
老後資金をすべて会社の利益や事業売却に頼ると、
景気や業績の影響を強く受けてしまいます。
公的な終身年金が増えれば、
事業リスクと生活リスクを分散できます。
③ 相続時の現金不足リスクの軽減
相続では現金が重要です。
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相続税の納税資金
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生前贈与の資金
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生活費
これらが不足しがちな経営者が多い中、
基金による年金収入は“生活費の土台”になります。
生活費が公的年金で賄えれば、
資産を減らさずに相続対策ができます。
④ 未支給年金として相続人が請求できるケースも
本人死亡時に受け取り前の年金が発生している場合、
遺族が請求することができます(未支給年金)。
もちろん一括で大きな額になるわけではありませんが、
遺族の生活には確実にプラスに働きます。
6. 付加年金・国民年金基金を活用した“経営者向け年金戦略”
ここからが最も重要な部分です。
経営者は以下の順番で老後資産を組み立てると、
最も効率的でリスクを抑えた設計ができます。
ステップ1:付加年金(月400円)を絶対に入れる
利回り・安全性ともにトップクラス。
ステップ2:国民年金基金を月1万円〜2万円から始める
まずは無理のない範囲でOK。
ステップ3:iDeCoで運用リスクをとって積み上げる
基金は“守り”、iDeCoは“攻め”。
ステップ4:法人の役員退職金制度で“税金を使って積み上げる”
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法人税
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所得税
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相続税(退職金は非課税枠あり)
すべてでメリットが大きい。
ステップ5:不動産収入をプラスαで積み立てる
年金+不動産が最強の老後キャッシュフロー。
このように、
付加年金と国民年金基金を起点に、
経営者の“生涯キャッシュフロー設計”を組むのがベストです。
7. まとめ|付加年金+国民年金基金は「経営者の最強の土台」である
経営者はリスクをとって事業を拡大しますが、
老後の生活だけはリスクを取るべきではありません。
その意味で、
■ 付加年金:最強の利回り
■ 国民年金基金:終身の安心
この2つは、
“公的制度の中で最もコスパが高く、リスクが低く、
経営者の老後を守るための必須制度”です。
会社を永続させたいなら、
まず社長自身の人生を安定させることが重要です。
老後資金は、会社の未来にも、家族の未来にも、
相続対策にも直結します。
この2つの制度を正しく理解し、
経営者として「人生の財務戦略」を今日から組み立ててください。