【2025年版】特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)とは?最大240万円がもらえる制度を徹底解説

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はじめに

少子高齢化や人手不足が進む日本社会において、企業が安定的に成長していくためには「多様な人材の活用」が不可欠です。特に高年齢者、障害者、母子家庭の母など、就職が難しいとされる方々の雇用は社会的にも重要なテーマとなっています。
この課題に対応する制度が「特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)」です。本記事では、この助成金の概要、助成額、対象者、申請の流れ、メリットや注意点について詳しく解説します。


制度の概要

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)は、就職困難者をハローワークや職業紹介事業者の紹介により雇い入れた事業主に対して支給される助成金です。
雇用機会の確保と人材活用の促進を目的とし、正規雇用・無期雇用・有期雇用(自動更新型)での採用が対象となります。


助成対象となる労働者

対象となるのは以下のような「特定就職困難者」です。

  • 高年齢者(60歳以上)
  • 障害者(身体・知的・精神障害者、重度障害者、45歳以上の障害者)
  • 母子家庭の母・父子家庭の父
  • ウクライナ避難民や補完的保護対象者
  • 中国残留邦人、北朝鮮帰国被害者等
  • アイヌの人々、沖縄失業者求職手帳所持者、漁業離職者求職手帳所持者 など

これらの方々を雇用することが、助成金の対象となります。


助成額

助成額は対象者の属性や雇用形態によって異なります。支給は原則6か月ごとに分割して行われます。

  1. 母子家庭の母、高年齢者(60歳以上)、ウクライナ避難民など
    • 正規雇用:30万円 × 2期 = 60万円
    • 短時間雇用:20万円 × 2期 = 40万円
  2. 身体・知的障害者
    • 正規雇用:30万円 × 4期 = 120万円
    • 短時間雇用:20万円 × 4期 = 80万円
  3. 重度障害者、45歳以上の障害者、精神障害者
    • 正規雇用:40万円 × 6期 = 240万円
    • 短時間雇用:20万円 × 4期 = 80万円

大企業の場合は支給額が減額されるため、中小企業にとっては特に有利な制度といえます。


支給申請の流れ

助成金の支給は次のステップで行われます。

  1. 求人の提出
    ハローワークや職業紹介事業者を通じて求人を行うことが必要です。
    直接応募や求人サイト経由の採用は対象外となります。
  2. 対象者の雇入れ
    正規雇用・無期雇用・有期(自動更新型)で採用。65歳までの継続雇用が前提。
  3. 支給申請(第1期)
    採用から6か月間の勤務実績をもとに申請。
  4. 審査・支給決定
    提出書類(賃金台帳・出勤簿・契約書など)の確認を経て支給。
  5. 第2期以降の申請
    継続雇用ごとに繰り返し申請可能。最大6期まで助成される。

支給申請の期限は各期の末日の翌日から2か月以内です。期限を過ぎると申請不可となるため、注意が必要です。


提出書類の例

  • 支給申請書(様式第3号)
  • 賃金台帳
  • 出勤簿
  • 雇用契約書または雇入通知書
  • 対象者証明書類
  • 支給要件確認申立書(共通要領様式第1号)

事業主の要件

助成金を受けるには以下の要件を満たす必要があります。

  • 雇用保険適用事業主であること
  • 労働保険料を滞納していないこと
  • 採用日前後6か月間に事業主都合の解雇をしていないこと
  • 採用日前後6か月間に倒産・解雇などで離職者が一定割合を超えていないこと
  • 過去に助成対象者を不当に解雇していないこと

制度活用のメリット

  1. 採用コストの軽減
    就職困難者を雇用する際の初期コストを国がサポート。
  2. 多様な人材の活用
    障害者、高齢者、母子家庭の母などを積極的に雇用できる。
  3. 社会的責任(CSR)の向上
    ダイバーシティ経営を推進し、企業ブランドの強化につながる。
  4. 人材定着効果
    継続的な雇用に助成金が支給されるため、長期的な雇用促進につながる。

注意点

  • 直接応募・求人サイト経由の採用は対象外。必ずハローワーク等を通じた紹介が必要。
  • 支給申請期限は厳守。遅れると一切支給されません。
  • 対象労働者の離職率が高い企業は不支給となる場合あり
  • 他の助成金との併用制限があるため、計画的な活用が求められます。

まとめ

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)は、就職困難者の雇用を後押しするだけでなく、企業の人材確保戦略にも大きな力となる制度です。
最大240万円の助成金を受け取れる可能性があり、人手不足や多様性の確保に課題を抱える中小企業にとっては大きなチャンスです。

社会貢献と経営戦略を両立できるこの制度を、積極的に活用してみてはいかがでしょうか。

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