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第2回公募の全体像
第2回「新事業進出補助金」は、中小企業の“既存事業とは異なる”新市場・高付加価値事業への進出を後押しし、生産性向上と賃上げにつなげることを目的とした補助金です。制度の趣旨は明快で、挑戦する新規事業の背中を押すことで、企業規模の拡大や付加価値向上を促し、賃上げを実現させる狙いがあります。
公募期間は2025年9月12日(金)〜12月19日(金)18:00(厳守)。この期間内に電子申請で応募します。
補助額・補助率・実施期間
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補助上限(従業員数別)
20人以下:750〜2,500万円(賃上げ特例適用時3,000万円)
21〜50人:750〜4,000万円(同5,000万円)
51〜100人:750〜5,500万円(同7,000万円)
101人以上:750〜7,000万円(同9,000万円) -
補助率:1/2
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補助事業実施期間:交付決定日から14か月以内(ただし採択発表日から16か月以内の短い方)
補助対象経費(主な区分)
機械装置・システム構築費、建物費、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費、広告宣伝・販売促進費が対象です。
補助対象者
日本国内に本社および補助事業実施場所を有する中小企業等(定義の詳細は公募要領参照)が対象です。補助対象者の要件は、公募開始日に満たしている必要があります。
必須となる「事業計画」の要件(3〜5年)
申請には、3〜5年の事業計画で以下の要件を満たす必要があります。
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新事業進出要件(「新事業進出指針」に適合)
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付加価値額要件
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賃上げ要件
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事業場内最低賃金水準要件
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ワークライフバランス要件
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金融機関要件(資金提供を受ける場合の確認書)
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賃上げ特例要件(適用時、後述)
付加価値額要件・賃上げ要件は「事業計画期間(補助事業終了後3〜5年)」を通じた年平均成長率(CAGR)基準で判定します。付加価値額は「補助事業実施期間の終了時点が含まれる決算年度」の値が基準となり、賃上げ要件は「一人当たり給与支給総額」または「給与支給総額」のいずれかの基準値以上の伸びが必要です。
「賃上げ特例」を使うと上限額が引き上がる
賃上げ特例を適用すると、前掲の補助上限が括弧内の金額まで引き上がります(例:従業員101人以上なら7,000万円→9,000万円)。適用条件は、事業計画期間において「給与支給総額の年平均成長率を基準値+3.5%(合計+6.0%以上)」かつ「事業場内最低賃金を基準値+20円(合計+50円以上)」とすること等。未達の場合は返還義務もあるため、計画の実現可能性の精査が不可欠です。
申請の流れ(電子申請)
手続きは、①公募→②申請(電子申請)→③採択通知→④交付申請→⑤交付決定→⑥事業実施→⑦実績報告→⑧確定検査→⑨補助金請求→⑩補助金支払→⑪事業計画期間(事業化状況報告5年)というスキームです。
申請にはGビズIDプライムアカウントが必要。発行に約1週間かかるため、未取得の場合は早めの登録を。アカウントやパスワードの第三者共有は禁止です。
必要書類(主なもの)
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決算書(直近2期分。やむを得ず1期分でも可)
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従業員数を示す書類(労働者名簿の写し)
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収益事業を行っていることを示す書類(法人:確定申告書別表一、法人事業概況説明書 等/個人:確定申告第一表、青色申告決算書 等)
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賃上げ計画の表明書(事業計画期間における目標賃上げの社内表明)
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金融機関による確認書(外部資金で実施する場合)
※詳細は公募要領「添付書類」欄と、別紙「添付書類確認シート」を参照。
審査のポイントと注意事項
本補助金は、外部有識者による審査で採択が決まります。理由開示や異議申立は受け付けられません。
また、口頭審査の内容は他者へ口外禁止。違反すると不採択や取消・返還の対象になり得ます。
同一事業者(みなし同一を含む)の応募は「1公募あたり1申請」。複数事業を計画する場合は、1つの事業計画書にまとめて申請可能です。
さらに、代理申請や申請者本人でない審査対応は不可。外部支援者がいる場合は氏名や報酬等の情報を電子申請システムに必ず入力します。
どんな計画が求められる?
本制度は「新市場」もしくは「高付加価値」のいずれか(理想は両方)の観点で、合理的で説得力のある事業計画を評価します。新市場性・高付加価値性の考え方や例示は制度資料で明確化されているので、ジャンル・分野の定義、相場価格との比較、価値の源泉の説明まで定量・定性の両面で詰めるとよいでしょう。
まとめ:締切厳守&早めの準備を
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申請期限:2025年12月19日(金)18:00(厳守)
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補助率:1/2、上限最大7,000万円(賃上げ特例で9,000万円)
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事業計画は3〜5年で要件クリアが必須(賃上げ特例は要件厳格・未達返還あり)
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要件や必要書類、スケジュールを踏まえた逆算準備が、採択の第一歩です。記事をきっかけに、貴社の「次の一手」を具体化してみてください。
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