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◉ そもそも「企業価値担保権」とは?
通常、銀行からの融資を受ける際には、不動産や機械設備など“目に見える資産”を担保に差し出しますよね。しかし、「企業価値担保権」は、会社全体の事業価値(=ブランド、ノウハウ、顧客ネットワークなども含む)をまるごと担保として設定できる新しい制度です。
◉ なぜ今この制度が必要なのか?
以前は、融資の可否は主に「過去の財務データ(貸借対照表や損益計算書)」で決められていました。その結果、赤字でも成長見込みがある企業が資金を借りにくくなるという課題がありました。
企業価値担保権は、こうした“将来性ある会社”にとっての資金調達の新たな道を開くものです。
◉ 企業価値担保権のメリットとは?
ポイント | 内容 |
---|---|
✅ 将来性を重視 | 売上が低くても、成長見込みがあれば融資対象になる可能性がある |
✅ 担保に柔軟性 | 不動産がなくてもOK。ブランド力や経営ノウハウなどが評価される |
✅ 金融機関との連携が強化される | 情報の共有を前提に、より密接な関係での支援・モニタリングが進む |
◉ どのように評価されるのか?
従来の「担保=土地や建物」という考えではなく、将来のキャッシュフロー(お金を生み出す力)や、経営者の能力、事業モデルなど“定性的な要素”を含めて総合的に評価されます。
たとえば、
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経営者が明確なビジョンを持っているか?
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既存の顧客基盤やサービスに競争力があるか?
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今後の市場ニーズを的確に捉えているか?
といった点が評価対象になります。
◉ 金融機関側も新たな体制が求められる
この制度の活用には、金融機関側にも「借り手と密な関係を持ち、事業内容を深く理解する力」が求められます。つまり、資金を貸して終わりではなく、「継続的な経営支援」も含めた関係性が大事です。
◉ 中小企業が活用するには?
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事業計画を“見える化”する
- 将来の売上・利益予測を明示
- 強みや競争優位性を整理 -
金融機関との情報共有を積極的に
- 数字だけでなく、「なぜこの事業が伸びるのか」をしっかり説明 -
専門家と連携する
- 認定支援機関や中小企業診断士と組んで、信頼性の高い計画書を作成
◉ まとめ
企業価値担保権は、「これから伸びる中小企業」にとって、新しい資金調達の可能性を開くものです。金融機関との信頼関係の構築と、自社の強み・将来性の“言語化”が成功のカギです。
資金調達の新たな選択肢として、制度の仕組みを理解し、ぜひ自社に活かしていきましょう!