【2026年最新】赤字法人率は改善なのに倒産は増加する理由|法人税・源泉税データから読み解く経営危機と対策

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■はじめに|「赤字は減っているのに倒産は増える」という矛盾

2024年度、日本の赤字法人率は64.18%と過去最低を更新しました。
(出典:東京商工リサーチ)

一見すると「企業の業績は改善している」と見えます。

しかし現実は真逆です。

・倒産件数は増加
・小規模企業の淘汰が加速
・資金繰り破綻が増加

つまり、

「赤字が減っている=安全」ではない

この構造を、国税庁データから分解します。


■① 赤字法人率は改善している

・赤字法人率:64.18%(過去最小)
・赤字法人数:194万社
・普通法人:302万社

出典:東京商工リサーチ

ポイントはここです。

赤字企業は減っていない(むしろ増えている)

・赤字法人数は5年連続増加
・法人総数の増加で「割合だけ改善」

つまり 実態は「改善ではなく構造変化」


■② 法人税データが示す“二極化”

国税庁データでは以下が明確です。

・法人所得:101兆円(過去最高水準)
・法人税額:18.5兆円(増加)

これは何を意味するか?

 儲かっている企業はさらに儲かっている

つまり

・黒字企業は拡大
・赤字企業は残存

格差(K字構造)が拡大


■③ 源泉所得税データが示す異変

2024年の源泉所得税

・総額:19.6兆円(前年比▲11.9%)

内訳

・給与所得:▲7.4%
・配当所得:▲42.5%
・報酬:▲4.9%

ここが重要です。「お金の分配」が減っている

つまり

・給与が伸びていない
・投資収益が減少
・フリーランス報酬も減少

企業だけでなく「 市場全体の“キャッシュ循環”が弱っている」


■④ なぜ倒産が増えるのかの本質

ここが最大のポイントです。

■① 赤字でも生き延びていた企業が限界

・コロナ支援
・金融緩和
・リスケ

これにより

 本来淘汰される企業が延命

しかし現在

・金利上昇
・返済開始
・コスト増

これらが重なり、 一気に破綻


■② 黒字でもキャッシュがない

法人税データは利益ベース

しかし「 倒産はキャッシュベース」

・売上増
・利益あり

でも

・資金ショート → 倒産


■③ コスト構造の破壊

・人件費上昇
・原材料費上昇
・エネルギー高騰

利益構造が崩壊


■⑤ 結論|今の時代の本質

現在はこういう時代です

・赤字でも潰れない → 過去
・黒字でも潰れる → 現在

つまり、 「利益」ではなく「資金」が全て


■⑥ 赤字段階でやるべき経営対策(実務レベル)

ここからが最重要です。


■対策① キャッシュフロー最優先経営

やるべきこと

・月次資金繰り表の作成(必須)
・3ヶ月先の資金残高を常時把握
・入金サイト短縮
・支払いサイト延長

さらに

・黒字倒産防止KPIを設定
(現金残高/月商)

「利益」ではなく「現金」で判断


■対策② 赤字構造の分解(PLの再設計)

やるべきこと

・固定費と変動費の完全分解
・赤字要因の特定(商品・顧客別)
・粗利率の再設計

特に重要

・利益が出ていない商品を切る
・利益が出る顧客に集中

中小零細は特に「全部やる」をやめる


■対策③ 借入戦略の再設計

今の環境

・金利上昇局面
・金融機関の選別強化

やるべきこと

・借入の目的明確化
・返済原資の設計
・短期→長期への組み替え
・リスケの早期交渉

つまり、 借入は「延命」ではなく「戦略」


■対策④ 人件費の構造改革

やるべきこと

・人件費率の可視化
・高付加価値業務への再配置
・外注化・自動化

重要

・「人が増えないと成長できない」構造を捨てる


■対策⑤ 価格戦略の再設計

やるべきこと

・値上げシナリオ設計
・顧客セグメント分離
・安売り停止

重要

・値上げできないビジネスは終わる


■対策⑥ 撤退判断の明確化

やるべきこと

・赤字ラインの設定
・撤退基準の明文化
・事業売却の検討

これにより、 「やめる力」が生存率を上げる


■対策⑦ ビジネスモデル転換

・単価依存 → 価値提供型
・労働集約 → 仕組み化
・短期売上 → 継続収益

これらは、構造を変えない限り回復しない


■まとめ

国税庁データから見える本質は明確です

・赤字法人率は改善している
・しかし企業数は増えただけ
・資金循環は弱っている
・格差は拡大している

そして「 倒産はこれからさらに増える」


最後に一言

今は「利益を出す経営」ではなく
「潰れない経営」を構築するフェーズです

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