「そろそろ次のリーダーを育てたい」「組織が拡大してきたのに、管理職を担おうとする人がいない」──多くの中小企業や成長企業の経営者が、こんな悩みを口にします。しかし、それは本当に“人材の質”や“今どきの若手”のせいなのでしょうか?
結論から言えば、「管理職になりたがらない社員」が多い組織では、ほとんどの場合、個人ではなく“会社の仕組み”や“文化”に原因があります。この記事では、なぜ管理職志望者が育たないのか、その構造的な理由と、明日から経営者が実践できる打ち手について解説します。
Contents
なぜ管理職になりたがらないのか?
管理職とは責任の重いポジションです。それ自体は事実ですが、それに見合うやりがいや待遇、キャリアの可能性が提示されていなければ、手を挙げる人が少ないのも当然です。
特に中小企業では、「昇格しても給与がほとんど変わらない」「役職が増えると業務だけが増えて損をする」といった構造が放置されているケースもあります。さらに、「育てる文化」や「挑戦を支える制度」がなければ、現場でなんとなく優秀に見える人に業務が集中し、結果的に疲弊し、誰も真似したくないロールモデルとなってしまいます。
管理職を育てる仕組みの不在
本質的な問題は、社員に「管理職になりたい」と思わせるような“仕組み”が組織に存在しないことです。
-
キャリアパスが不明確で、自分の将来像が描けない
-
管理職の評価軸が不透明で、何を求められるのか分からない
-
育成やサポートの場がなく、現場でのOJT任せ
-
経営者が業務を抱え込みすぎて任せない文化がある
これらの要素が積み重なり、「自分が管理職になっても損をするだけ」と社員が感じてしまうのです。
解決策:仕組みと文化をつくる3つのステップ
では、どうすれば管理職を志望する社員が生まれるのでしょうか?重要なのは「仕組み」と「文化」を少しずつでも設計することです。
① キャリアパスと役割の見える化
「管理職になったら何ができるのか」「どんな責任があり、どんな裁量や影響力があるのか」を明確にします。職能・役割別にステージを分けて示すことで、自分の成長の道筋が見えるようになります。
② 管理職の評価制度を整備する
単に「成果」だけでなく、「部下育成」「チームの成長」「行動面でのリーダーシップ」などを評価指標に取り入れ、成果だけを求めない組織文化をつくります。これにより、安心して“育てる役割”に挑戦できるようになります。
③ 育成の場と仕掛けを設ける
研修・1on1・定期的なリーダー会議などを通じて、「育てるスキル」や「考える時間」を提供することも重要です。外部の研修機関やコンサルタントを活用するのも効果的です。内部にない視点が入ることで、社員の意識が変化します。
まとめ:任せることは、経営の成長戦略
管理職がいないという問題は、人の資質の話ではなく、経営がどこまで“任せる文化と仕組み”を整備しているかにかかっています。人は「育てられる」ことで初めて挑戦意欲を持ちます。
今、管理職がいないと悩む企業こそ、最も未来を見据えるべきタイミングです。組織が2倍、3倍の規模になる未来に備えて、「任せる」「育てる」「支える」文化を仕掛けること。それが、持続的成長のための第一歩です。
無料組織診断のご案内
3分でわかる【無料組織診断】では,採用、育成、定着、評価制度、組織文化の7領域を数値化
-
弱点の可視化と改善アドバイスを無料で提供
-
結果はPDFレポート形式で即日送付!
今すぐ診断を受けたい方は、以下のフォームからどうぞ
[無料組織診断フォーム]
お問い合わせ