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1. はじめに
企業経営において、資金調達や契約の際に「保証人」や「連帯保証人」を引き受ける場面は少なくありません。
しかし、万が一主債務者(借主)が返済できなくなった場合、保証人や連帯保証人は借金の支払いを肩代わりする必要があります。
このとき、保証人が肩代わりした金額を、主債務者に請求できる権利を 「求償権」 といいます。
本記事では、
✅ 求償権とは何か?
✅ 求償権が発生するケースとは?
✅ 求償権を行使する方法とは?
✅ 求償権が認められないリスクとは?
などを詳しく解説します。
2. 求償権とは?
求償権とは、他人の債務を代わりに支払った人(保証人など)が、その分の金額を本来の債務者に請求できる権利です。
2-1. 求償権の発生要件
以下の条件が揃うと、求償権が発生します。
✅ 保証人・連帯保証人が主債務者の代わりに弁済した
✅ 弁済が法律上の義務に基づいている
✅ 弁済額が正当なものである
2-2. 連帯保証人と求償権
連帯保証人は、主債務者と同じ責任を負うため、債権者(貸主)から直接請求を受け、支払いをしなければならない場合があります。
このとき、連帯保証人は支払った金額を求償権に基づき、主債務者に請求できます。
3. 求償権が発生する主なケース
求償権が発生する代表的なケースを紹介します。
3-1. 連帯保証人が借金を肩代わりした場合
例:会社経営者が知人の借金の連帯保証人になったが、知人が返済できず、経営者が支払いをした。 → 求償権を行使し、知人に返済を請求できる。
3-2. 損害賠償を肩代わりした場合
例:交通事故を起こした会社の従業員の賠償金を、会社が支払った。 → 会社は従業員に求償権を行使できる。
3-3. 共同債務者の一人が支払いをした場合
例:不動産購入の際、AさんとBさんが共同でローンを組んだが、AさんがBさんの分も支払った。 → AさんはBさんに求償権を行使できる。
4. 求償権の行使方法
求償権を行使するには、以下の方法があります。
4-1. 債務者へ直接請求する
求償権が発生すると、主債務者に「あなたの代わりに支払ったので返済してください」と請求できます。
4-2. 訴訟を起こす
主債務者が支払いを拒否した場合、裁判所に訴えて支払いを求めることも可能です。
4-3. 求償権を担保にする
求償権を確実に回収するために、主債務者の不動産などに担保を設定することもあります。
5. 求償権が認められないリスク
求償権を持っていても、以下のようなケースでは回収が難しくなる可能性があります。
✅ 主債務者が自己破産した → 破産手続きが進むと、求償権は無効になる場合があります。
✅ 主債務者に返済能力がない → 収入や資産がなければ、請求しても回収できません。
✅ 求償権を放棄する契約をしていた → 事前に求償権を放棄する合意をしていると、請求できない可能性があります。
6. まとめ
✅ 求償権とは、保証人などが肩代わりした支払いを主債務者に請求できる権利!
✅ 連帯保証人、損害賠償、共同債務など、求償権が発生する場面は多い!
✅ 求償権を行使するには、直接請求、訴訟、担保設定などの方法がある!
✅ 主債務者が破産すると求償権が無効になるリスクもある!
求償権を行使する際は、専門家に相談し、適切な手続きを踏むことが重要です。
契約時のリスク管理を徹底し、安易に保証人にならないよう注意しましょう!