経営再生の専門家が語る、倒産兆候の見極め方

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中小企業の経営者にとって、経営の悪化を早期に発見し、対策を講じることは極めて重要です。人間でも、怪我をして血が流れてくると、どこの誰でも「止血」するでしょう。経営も同じです。

今回は、経営再生の専門家が語る、倒産兆候の見極め方について詳しく解説します。これにより、経営者は早期に問題を察知し、適切な対策を講じることができるようになります。

1. 倒産の兆候とは?

倒産の兆候とは、企業の経営が悪化し、最終的に倒産に至る可能性が高まるサインのことです。それがどのような点から見つけることが可能となるのか、これらの兆候を早期に発見することで、適切な対策を講じることができます。以下に代表的な兆候をいくつか紹介します。

売上の減少

売上の減少は、経営悪化の初期段階に見られる兆候です。特に、長期的な売上の減少は、企業の持続可能性に大きな影響を与えます。このため、売上減少には早期の対処をしなければいけません。

キャッシュフローの悪化

キャッシュフローが悪化すると、企業は日々の運転資金の確保が難しくなります。これにより、支払い遅延や債務不履行のリスクが高まります。そのため、常にキャッシュフローを重視した経営スタンスをとる必要性が高いです。

借入金の増加

資金繰りが悪化すると、企業は借入金に頼ることが増えます。借入金の増加は、利息負担の増加を招き、さらなる経営悪化を引き起こす可能性があります。そのため、その借入による過剰債務になっていないか、注意を払う必要があります。

在庫の増加

売上が減少しているにもかかわらず、在庫が増加している場合、売れ残りが発生している可能性があります。これは、資金繰りに悪影響を及ぼす要因となります。このため、在庫は常に減らす必要があるのですが、そのためには、日々の意識・業務改善が必要不可欠となります。

支払い遅延

取引先や従業員への支払い遅延は、経営の悪化を示す重要なサインです。特に、複数回にわたる支払い遅延は、倒産リスクが高まっていることを示しています。

2. 倒産兆候の早期発見方法

倒産兆候を早期に発見するためには、定期的な経営状況の監視が不可欠です。以下に具体的な方法を紹介します。

定期的な財務分析

定期的に財務諸表を分析し、売上や利益、キャッシュフローの状況を把握することが重要です。特に、異常な変動が見られた場合は、早急に原因を究明し、対策を講じる必要があります。

もし分析する力がない場合は、専門家に依頼し、決算書や試算表から現在の状況を分析する必要があります。

KPIの設定と監視

重要業績評価指標(KPI)を設定し、定期的に監視することで、経営状況を客観的に評価できます。例えば、売上成長率、利益率、キャッシュフロー比率などをKPIとして設定します。

取引先の信用調査

取引先の経営状況を定期的に調査し、信用リスクを評価することも重要です。取引先が倒産すると、自社の経営にも影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。

3. 経営再生のための対策

倒産兆候を発見した場合、迅速に対策を講じることが重要です。以下に、具体的な対策を紹介します。

コスト削減

経費の見直しを行い、無駄な支出を削減します。特に、固定費の削減は、キャッシュフローの改善に直結します。変動費についても同様で、品質を下げることなく見直せないか?検討します。

資金調達

必要に応じて、追加の資金調達を検討します。銀行からの借入れや投資家からの資金調達を通じて、運転資金を確保します。資金調達の幅は広く、売掛金の売却をする「ファクタリング」や、事業計画策定し設備投資などの補助を受ける「補助金」も資金調達の手段の1つです。

事業の再構築

不採算部門の廃止や事業の再編を行い、収益性の高い事業に集中します。これにより、経営資源を効果的に活用し、経営の立て直しを図ります。

経営コンサルタントの活用

専門家の助言を受けることで、より効果的な経営再生が可能となります。客観的な意見をもらうことができる、経営コンサルタントは、企業の状況を客観的に分析し、最適な対策を提案する役割を果たします。この人にお願いしてみたい、という方にご相談をしてみましょう。

また、経営革新等認定支援機関になっている会社であれば、「早期経営改善計画」「経営改善計画」などの補助金の支援を受けられますが、それを得意とする会社かどうかも相談時に確認してみましょう。

まとめ

中小企業の経営者にとって、倒産の兆候を早期に発見し、適切な対策を講じることは極めて重要です。定期的な財務分析やKPIの監視を通じて、経営状況を正確に把握し、迅速な対応を心がけましょう。今回紹介した方法を参考に、自社の経営を安定させるための取り組みを始めてみてください。

また、自社だけでは難しい場合や、補助金を活用したい場合は、パートナーとなる専門家を探し、なるべく早期に動いて行きましょう。

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