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企業倒産が本格増加へ
2026年後半、中小企業は何を変えるべきなのか
2026年7月、東京商工リサーチ(TSR)と帝国データバンク(TDB)は相次いで2026年6月および上半期(1〜6月)の企業倒産統計を公表しました。
今回のデータは単なる「倒産件数の増加」を示しているだけではありません。
複数の統計を横断すると、
日本企業は新しい倒産フェーズに入った
ことが明確に読み取れます。
本記事では、
・東京商工リサーチ
・帝国データバンク
双方のデータを整理し、
中小企業経営者が今後何をすべきかまで解説します。
6月の倒産は約2年ぶりに1000件を突破
まず最も衝撃的なのが6月単月です。
東京商工リサーチでは
1,021件
帝国データバンクでは
1,028件
となり、
どちらも約2年ぶりに1000件を突破しました。
さらに、
・前年同月比約20%増
・負債総額約30%増
となっています。
つまり、
件数だけでなく大型倒産も増え始めています。
(出典:東京商工リサーチ「2026年6月全国企業倒産状況」、帝国データバンク「倒産集計2026年6月報」)
上半期は12年ぶりに5000件突破
さらに半年で見ると、
TSR
5,346件
TDB
5,335件
と、
12年ぶりに5000件を突破しました。
しかも
5年連続増加。
一時的な景気悪化ではなく、
倒産増加が構造化している
ことが分かります。
今回の特徴①
物価高倒産が過去最多
最も目立つのが、
物価高倒産
です。
帝国データバンクでは
上半期
556件
6月単月
113件
ともに過去最多。
原材料
エネルギー
物流費
包装資材
人件費
など、
あらゆるコストが利益を圧迫しています。
しかも価格転嫁できない企業ほど苦しくなっています。
特徴②
人手不足ではなく「人件費高騰倒産」
東京商工リサーチでは
人手不足関連倒産237件
その中でも
人件費高騰120件
前年から
約2.4倍
に増加しました。
つまり
「採用できない」
よりも
採用できても利益が残らない
企業が急増しています。
特徴③
後継者難が過去最多
帝国データバンクでは
後継者難倒産
312件
過去最多。
その半数以上が
経営者の病気
死亡
高齢化
によるものです。
利益が出ていても
承継できずに終わる会社が増えています。
特徴④
小規模企業ほど厳しい
TSRでは
従業員10人未満
約91%
TDBでも
資本金1000万円未満
過去最多。
つまり
今回倒産しているのは
大企業ではなく
地域の中小企業
です。
サービス業が最多
両社とも
サービス業が最多。
しかも
2000年以降最多。
情報サービス
広告
IT
専門サービス
なども増えています。
サービス業だから安全という時代ではなくなりました。
建設業はさらに危険な局面へ
建設業は
・人手不足
・資材高
・金利上昇
・価格転嫁不足
が同時進行しています。
職別工事業では
倒産が急増。
施工力そのものが
競争力になっています。
小売業も厳しい
小売業では
飲食料品
食品
飲食店
などが目立っています。
節約志向が続く中、
値上げしなければ赤字。
値上げすると売れない。
非常に難しい局面です。
景気は改善しているのになぜ倒産するのか
ここが重要です。
帝国データバンクでは
景気DIは改善。
AI
半導体
設備投資
株価
は好調です。
しかし、
恩恵を受けているのは
主に大企業。
中小企業は
コストだけ増えています。
つまり
景気回復=中小企業の利益改善ではありません。
金利上昇が次のリスク
日銀は政策金利を
1%
へ引き上げました。
帝国データバンク試算では
1.5%になると
約6%の企業が
赤字転落するとしています。
今後は
利益より
資金繰りが重要になります。
中東情勢も無視できない
中東情勢による
原油高
ナフサ不足
物流コスト増
包装資材高騰
は、
今後さらに影響する可能性があります。
価格転嫁できない企業ほど苦しくなるでしょう。
生き残る企業は何をしているのか
今回のデータから見える共通点があります。
生き残る企業は
・価格転嫁できる
・利益率が高い
・固定客が多い
・採用に依存しない
・DXを進めている
・借入を管理している
・資金繰りを毎月確認している
企業です。
経営者が今すぐやるべき7項目
① 粗利率の見直し
② 値上げ戦略
③ 利益商品への集中
④ 採用より生産性改善
⑤ AI・DX活用
⑥ 借入条件の確認
⑦ 毎月資金繰り表を作る
倒産企業の多くは、
利益ではなく
資金繰りが限界になっています。
まとめ
今回の統計から読み取れる最大のポイントは、
倒産件数が増えたことではありません。
本当に重要なのは、
企業淘汰の基準が変わったことです。
これからは、
売上規模ではなく、
利益率
資金繰り
人材確保
価格転嫁力
生産性
が企業の生死を分けます。
2026年後半は、
これらを早く改善できる企業ほど成長し、
対応が遅れた企業ほど厳しい局面を迎える可能性があります。
経営環境が急激に変化する今だからこそ、自社の財務・収益構造・事業ポートフォリオを客観的に見直し、利益を生み続けられる経営体質へ転換することが重要です。
参考・引用
- 東京商工リサーチ「2026年6月 全国企業倒産状況」(2026年7月8日)
- 東京商工リサーチ「2026年上半期(1〜6月)全国企業倒産状況」(2026年7月8日)
- 帝国データバンク「倒産集計 2026年6月報」(2026年7月8日)
- 帝国データバンク「倒産集計 2026年上半期報(1〜6月)」(2026年7月8日)