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2026年後半はどうなる?
社長100人アンケートから見える「経営者が本当に警戒している5つの変化」
2026年も、あっという間に折り返し地点を迎えました。
今年前半を振り返ると、
- 中東情勢の緊迫化
- ホルムズ海峡問題
- 原油価格上昇
- AIの急速な進化
- 人件費・物流費の上昇
など、企業経営を取り巻く環境は大きく変化しました。
そんな中、日本経済新聞が実施した「社長100人アンケート」は、日本を代表する経営者がこれから半年、そしてその先をどう見ているかを知る非常に重要なデータです。
今回は、この調査結果と最新の価格動向を整理しながら、中小企業経営者が今後取るべき戦略を考えてみます。
① 6割以上の企業が「値上げ」を予定
今回もっとも注目すべき結果がこちらです。
63.5%の企業が、2026年末までに値上げを予定しています。
さらに、
- 値下げ予定・・・0%
- 据え置き・・・4.3%
という結果でした。
つまり、多くの企業が
「価格を維持することより、生き残ること」
を優先し始めています。
値上げ幅も
- 5〜10%
- 10%以上
が最も多くなっています。
つまり、
「価格競争」
ではなく
「利益確保」
へ経営の考え方が大きく変わってきています。
しかし、値上げしても利益は増えていない
実はもっと重要なのはこちらです。
約79%の企業が
「価格転嫁は十分できていない」
と回答しました。
理由は
- 顧客が受け入れない
- 価格改定まで時間がかかる
というもの。
つまり、
値上げ=利益増
ではありません。
むしろ
利益率は圧迫されたまま
という企業が非常に多いことが分かります。
今後は
「どう値上げするか」
ではなく
「価格以上の価値をどう伝えるか」
が競争力になります。
② 景気は悪くない。しかし楽観視もしていない
半年後の景況感については
57.1%が「横ばい」
と回答しました。
一方、
大幅悪化を予想する企業は多くありません。
つまり、
経営者は
「悪くなる」
ではなく
「良くもならない」
と考えているのです。
これは非常に重要です。
急成長を期待するより、
利益体質を作る企業が強くなる時代
とも言えます。
③ AI投資は「やるかどうか」の議論ではなくなった
今回最もインパクトがあった数字かもしれません。
81.1%の経営者が
AI時代のサイバー対策投資を増やす
と回答しました。
しかも背景は
「AIを導入したい」
ではありません。
AIから会社を守るため
です。
AIは便利なツールですが、
同時に
- サイバー攻撃
- 情報漏えい
- サプライチェーン攻撃
なども急速に高度化しています。
つまり
AI活用と
AI防衛
はセットで考える時代になっています。
④ 「安く仕入れる」時代は終わり始めている
ホルムズ海峡問題を受け、
企業が進める対策は
最安値探しではありません。
最も多かった回答は
調達先の分散(60%)
でした。
さらに
- 原材料の多様化
- 地産地消
- リサイクル素材活用
なども増えています。
これまでの
「コスト最優先」
から
供給が止まらないこと
へ価値基準が変わっています。
サプライチェーンそのものが競争力になり始めています。
⑤ 家計は少し楽になる。でも物価は止まらない
7月には政府補助金の影響で
電気料金は全社値下げとなります。
平均では
600〜900円程度安くなる見込みです。
一方で、
食品価格は依然として上昇基調です。
政府では
2027年から
食品消費税を1%へ引き下げる案も検討されています。
しかし試算では、
その効果は
約1年3か月
で値上げによって打ち消される可能性があります。
さらに、
外食企業の約6割は今年度も値上げを予定しています。
背景には
- 食材高騰
- 人件費
- 物流費
- 容器価格上昇
- チキンショック
などがあります。
つまり、
一時的に家計負担が軽くなっても、
長期では物価上昇基調は続く
と見るべきでしょう。
中小企業がこれから半年でやるべき5つのこと
今回の調査をまとめると、
経営者の考え方は明確です。
① 値上げを前提に利益設計をする
価格据え置きが競争力になる時代ではありません。
利益を残す価格戦略を持つことが重要です。
② コストではなく利益率を見る
売上ではなく
粗利
営業利益
キャッシュ
を見る経営へ。
③ AIを業務改善に取り入れる
AIは
「人を減らす」
ためではなく、
人手不足を補い、
利益率を高めるための投資です。
同時に情報セキュリティ対策も不可欠になります。
④ 調達先を見直す
価格だけでなく、
供給停止リスクも考えた調達戦略が必要になります。
⑤ キャッシュを厚く持つ
景気は急回復も急悪化も見込みにくい状況です。
だからこそ、
資金繰りに余裕がある企業ほど、
設備投資やM&A、人材採用などの好機をつかみやすくなります。
まとめ
今回の日本経済新聞「社長100人アンケート」から見えてきたのは、
日本企業は"守りながら攻める経営"へ完全に舵を切った
ということです。
経営者が共通して警戒しているのは、
- 原材料価格の高騰
- 継続する物価上昇
- 価格転嫁の難しさ
- AI時代のサイバーリスク
- サプライチェーンの不安定化
一方で、景気が急激に悪化すると見ている企業は多くありません。
だからこそ重要なのは、
「景気が良くなるのを待つ経営」ではなく、
どのような経済環境でも利益を出せる経営体質をつくることです。
2026年後半は、売上の拡大だけを追う企業よりも、
利益率、キャッシュフロー、業務効率化、価格戦略、そしてAI活用を着実に進める企業が、2027年以降の成長をリードしていく可能性が高いでしょう。
出典・参考資料
- 日本経済新聞「社長100人アンケート」(2026年6月29日・30日)
- 「半年以内に値上げ」経営者6割
- 経営者の81%「ミュトス級AIに備え」
- 経営者の半年後の景況感「横ばい」57%
- 日本経済新聞「食品消費税1%、効果は1年3カ月か」(2026年6月29日)
- 日経MJ「外食企業の6割『値上げ』」(2026年6月29日)
- 日本経済新聞「7月の電気代、全社値下げ」(2026年6月26日)