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「また値上げか」では済まない
2026年、日本経済は新たな局面に入った。
これまでの物価上昇は、
- 円安
- 原材料高
- 人件費高騰
が主因だった。
しかし今、さらに危険な要素が加わった。
それが
「ナフサショック」
である。
ナフサは石油化学製品の原料であり、
- 食品包装
- 建築資材
- 断熱材
- フィルム
- トレー
- 接着剤
- 塗料
など幅広い製品に使用される。
今回の中東情勢悪化によって供給不安が発生し、日本企業へ深刻な影響を与え始めている。
そもそもナフサとは何か?
ナフサとは原油から精製される石油化学原料である。
ナフサから作られるものは想像以上に多い。
例えば、
- プラスチック容器
- 食品トレー
- ラップ
- 建築用断熱材
- 塩ビ製品
- 接着剤
- 塗料
- フィルム
などである。
つまり、
ナフサ不足=あらゆる業界のコスト上昇
を意味する。
食品業界で始まった異変
帝国データバンクによると、2026年6月の食品値上げは1078品目となった。
さらに2026年の値上げ品目数は、
1~10月判明分だけで9361品目
となっている。
帝国データバンクは、
5年連続で年間1万品目突破
を予測している。
これは異常事態である。
中東情勢が値上げの原因になっている
今回特に注目すべきなのは、
値上げ要因として
「中東情勢」
が登場したことである。
帝国データバンク調査では、
値上げ商品の22.7%が中東情勢を背景としている。
さらに、
- 包装資材要因73.7%
- 物流費要因74.1%
- 原材料高97.7%
となっている。
つまり、
原材料だけでなく、
包装・物流まで同時に値上がりしている。
企業にとっては三重苦である。
住宅業界ではすでに供給危機
影響は食品だけではない。
住宅業界ではすでに深刻な供給不足が始まっている。
報道によると、
- 断熱材不足
- ユニットバス不足
- 塗料不足
- シンナー不足
が発生している。
大和ハウス工業は
「7月以降の納期が不透明」
とコメントしている。
また、横浜市の工務店では、
1棟あたり250万〜300万円の追加負担や工期遅延リスクが発生していると報じられている。
建材メーカーも値上げを発表
値上げはすでに始まっている。
具体例として、
- LIXIL:平均8〜15%値上げ
- サンゲツ:18〜30%値上げ
が公表されている。
これは住宅価格上昇へ直結する。
結果として、
- 新築需要減少
- リフォーム延期
- 住宅投資減少
につながる可能性が高い。
鶏肉まで値上がりしている
食品価格への影響も深刻だ。
農林水産省調査では、
鶏もも肉価格が
100gあたり154円
と過去最高を記録した。
背景には、
- 円安
- 飼料価格上昇
- 需要増加
がある。
実際に、
崎陽軒では弁当の具材変更、
ケンタッキーは累計80円の値上げを実施している。
本当に怖いのは倒産増加
経営者が最も警戒すべきなのは、
値上げそのものではない。
利益が出なくなることである。
近年の倒産企業分析では、
倒産企業の多くが
- 値上げできない
- 粗利率低下
- キャッシュ不足
という共通点を持つ。
つまり、
ナフサショックは
「コスト上昇問題」
ではなく
「利益消滅問題」
なのである。
今後危険度が高い業界
特に注意すべき業界は以下である。
① 食品製造業
- 包装資材
- 原材料
- 物流
全て上昇
② 外食産業
- 食材高騰
- 人件費高騰
③ 建設業
- 断熱材不足
- 建材高騰
- 工期遅延
④ 印刷業
- インク
- フィルム
⑤ プラスチック加工業
- ナフサ直撃業界
⑥ EC事業
- 梱包資材高騰
- 配送費高騰
⑦ 製造業全般
- 包装資材
- 部品
- 輸送費
の影響を受ける。
中小企業が今すぐやるべき7つの対策
① 全商品別粗利率を見直す
売上ではなく、
商品別利益で管理する。
赤字商品は撤退も検討する。
② 即座に価格改定シミュレーション
半年後では遅い。
原価上昇を前提に、
5%
10%
15%
の値上げシナリオを作成する。
③ 仕入先を複線化する
単一仕入先依存は危険。
最低2〜3社体制を構築する。
④ 在庫戦略を見直す
欠品リスクと資金拘束のバランスを取る。
重要資材は安全在庫を確保する。
⑤ 価格転嫁の仕組みを契約化
毎回交渉ではなく、
原材料高騰時の価格改定条項を設ける。
⑥ キャッシュを厚くする
今後は金利上昇局面。
必要なら早めに資金調達する。
借りられる時に借りる。
⑦ 高付加価値化を急ぐ
安売り企業ほど苦しくなる。
- ブランド化
- 専門化
- 会員制
- サブスク化
など利益率向上策を進める。
まとめ
2026年のナフサショックは、
単なる原材料高ではない。
中東情勢
円安
物流費
包装資材
エネルギー
が連鎖する
「複合型インフレ」
である。
帝国データバンクは食品値上げが5年連続で年間1万品目を超える見通しを示しており、住宅業界でも供給不足や納期遅延が現実化している。
これから倒産する企業は、
「売上不足」
ではなく
「利益不足」
で倒産する。
2026年以降の経営は、
売上拡大競争ではなく、
粗利率・キャッシュ・価格転嫁能力の勝負
になる。
今こそ経営者は、
「値上げされる側」ではなく、
「利益を守れる側」
へ変わる必要がある。