2026年の中小企業経営を考えるうえで、
いま起きている経済現象を「景気が良いか悪いか」だけで判断するのは危険です。
実際には、
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倒産が増えている業界
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業績が伸びている業界
が同時に存在しています。
例えば、
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弁当店:倒産過去最多
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製茶業:廃業過去最多
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病院経営:赤字法人が約半数
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建設コンサル:過去最高益
という、非常に対照的な結果が出ています。
この記事では、
帝国データバンク・東京商工リサーチの最新データをもとに、
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なぜ同じ経済環境でも差が生まれるのか
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中小企業経営者が見るべき経営の本質
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2026年以降の生存戦略
を整理して解説します。
Contents
弁当店の倒産が過去最多になった理由
帝国データバンクによると、
2025年の弁当店倒産は55件となり、
2024年(52件)を上回り
2年連続で過去最多を更新しました。
出典
帝国データバンク
「弁当店」倒産動向調査
https://www.tdb.co.jp
弁当店を苦しめる5つの要因
主な原因は次の通りです。
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原材料価格の高騰(特にコメ)
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人手不足による人件費上昇
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コンビニ・スーパーとの価格競争
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テレワークによる法人ランチ需要減少
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フードデリバリーの台頭
特に問題なのは、
低価格モデルの限界です。
弁当店の64.8%が業績悪化
帝国データバンクの調査では
2025年度速報で
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赤字:41.9%
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赤字+減益:64.8%
となりました。
つまり、
多くの弁当店は売上があっても利益が残らない
状態です。
抹茶ブームなのに製茶業が苦しい理由
一方で、日本茶市場は
世界的な抹茶ブームが続いています。
しかし実際には、
製茶業では
廃業・休業が過去最多になりました。
2025年
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廃業・解散:13件
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倒産:1件
合計14社が市場から退出しました。
出典
帝国データバンク
製茶業動向調査
https://www.tdb.co.jp
製茶業の二極化
製茶業では
収益企業と苦境企業の差
が広がっています。
例えば
伸びている会社
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抹茶・碾茶へシフト
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海外需要
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ブランド化
苦しい会社
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煎茶中心
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原料調達困難
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小売店減少
サプライチェーンの縮小
さらに製茶業では
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茶農家の高齢化
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茶畑の減少
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茶小売店の廃業
など
産業構造そのものが縮小
しています。
病院経営の約半数が赤字
東京商工リサーチの調査では
全国6,266の病院経営法人のうち
48.2%が赤字
となりました。
出典
東京商工リサーチ
病院経営法人調査
https://www.tsr-net.co.jp
売上は増えているのに赤字
医業収入(売上)
18兆9,140億円
前期比
+1.0%
しかし
利益合計
1,135億円の赤字
病院経営が苦しい理由
主な原因は
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人件費増
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光熱費高騰
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医療材料費
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診療報酬の制約
つまり
価格転嫁ができない構造
です。
建設コンサルタントは過去最高益
一方で、
成長している業界もあります。
東京商工リサーチによると
建設コンサルタント
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売上高
1兆7,651億円 -
最終利益
1,090億円
どちらも
過去最高
となりました。
出典
東京商工リサーチ
建設コンサル業界調査
https://www.tsr-net.co.jp
建設コンサルが伸びる理由
背景には
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インフラ老朽化
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災害対策
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社会資本更新
があります。
国土交通省によると
過去10年で97%の自治体が災害被害
を経験しています。
そのため
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河川
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道路
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下水
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水道
の更新需要が急増しています。
4業種から見える経営の本質
今回の4業種を並べると
重要な共通点が見えます。
苦しい業界
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価格が上げられない
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労働集約型
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原価上昇直撃
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小規模企業が多い
伸びる業界
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社会課題に直結
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高度専門性
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価格競争になりにくい
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投資が差別化になる
中小企業経営者が持つべき3つの視点
①需要ではなく利益構造を見る
売上があっても
利益が残らなければ
事業は続きません。
②安さ依存モデルを見直す
低価格モデルは
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人件費上昇
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原材料高
に弱いです。
③投資格差が拡大する
今後は
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DX
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AI
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省人化
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高付加価値化
に投資できる会社が強くなります。
まとめ
今回の4業種から学べることはシンプルです。
需要があっても儲かるとは限らない
これからの時代は
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利益構造
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価値設計
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組織体制
を設計できる企業が生き残ります。
2026年の経営は
「頑張る」より「設計する」
時代です。