【2025年最新】福祉医療機構(WAM)物価高騰対応融資制度 完全ガイド

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制度概要

福祉医療機構(WAM)では、近年の物価高騰により経営状況が悪化した福祉・医療施設を支援するため、優遇融資制度を実施しています。この制度は通常のメニューよりも有利な条件で融資を受けることができる特別制度です。

対象施設・事業

福祉貸付

  • 社会福祉施設等

医療貸付

  • 病院
  • 介護老人保健施設
  • 介護医療院
  • 診療所
  • 助産所
  • 医療従事者養成施設
  • 指定訪問看護事業

融資対象要件

対象となるには以下のいずれかの要件を満たす必要があります:

パターン①:基本要件

  • 前年同月等と比較して物価高騰による費用増加等のため、収支差額の減少や経常赤字の状況にある施設・事業
  • 直近1年以内の物価高騰等の影響を受けた月と前年比較で:
    • 経常利益が減少している
    • 人件費・減価償却費を除く事業費用が増加している

パターン②:処遇改善取組施設(優遇条件)

  • パターン①の要件を満たす
  • ベースアップ評価料・処遇改善加算の届出実績がある
  • 経営改善計画書の提出が必要

パターン③:医療貸付のみ(最優遇条件)

  • パターン②の要件を満たす
  • 病床数適正化支援事業に係る事業計画の提出
  • または地域医療構想調整会議での合意による再編・減床

融資条件一覧

項目 パターン① パターン②(処遇改善) パターン③(医療のみ)
償還期間 10年以内 10年以内 10年以内
据置期間 1年6月以内 2年以内 5年以内
貸付利率 1.40% 当初2年間無利子※ 当初5年間無利子※
無担保限度額 500万円 500万円または直近事業収益2月分の高い方 500万円または直近事業収益2月分の高い方

※無利子適用は直近の事業収益2月分を上限

貸付金の限度額

パターン①の場合

  • 物価高騰影響月の費用増加額×24倍
  • 担保評価額×80%
  • 医療貸付の施設別上限:
    • 病院:7.2億円
    • 介護老人保健施設・介護医療院:1億円
    • その他:4,000万円

パターン②③の場合

  • 担保評価額×80%(診療報酬債権担保は100%)
  • 医療貸付の施設別上限(上記と同じ)

保証人について

以下から選択可能:

  • 保証人不要制度:金利に一定利率上乗せ(福祉0.05%、医療0.15%)
  • 個人保証:第三者保証人1名以上必要

資金使途・注意点

使用可能用途

  • 物価高騰により増加した経費の補填
  • WAMの既往借入金(新型コロナ対応支援資金等)の返済

使用禁止用途

  • 民間金融機関への借換資金
  • 建築資金への流用
  • 他法人への流用・転貸
  • その他定められた使途以外

違反した場合は繰上償還・違約金が発生

申し込みの流れ

  1. 申込書作成:HPから専用様式をダウンロード
  2. 書類郵送:〒105-8486 東京都港区虎ノ門4-3-13 ヒューリック神谷町ビル9F
  3. 審査:財務状況・償還能力等を確認
  4. 融資実行:審査通過後、契約締結・資金実行

お問い合わせ先

福祉貸付

  • 専用番号:03-3438-0403
  • 送付先:福祉医療貸付部 福祉審査課宛

医療貸付

  • 専用番号:03-3438-9940
  • 送付先:福祉医療貸付部 医療審査課宛
  • 沖縄県の施設:沖縄振興開発金融公庫 098-941-1765

既存融資利用者

  • コールセンター:0570-550-210(平日9時〜17時)

重要なポイント

✅ メリット

  • 最大5年間無利子(条件により)
  • 迅速な審査・実行
  • 既往借入金の返済にも使用可能
  • 無担保500万円まで

⚠️ 注意点

  • 開業1年未満は対象外
  • 使途制限があり、違反時は繰上償還
  • 審査により希望額に沿えない場合あり
  • 複数回申込み可能だが、その都度審査

まとめ

物価高騰で経営が圧迫されている福祉・医療施設にとって、非常に有利な制度です。特に処遇改善に取り組んでいる施設は、最大5年間無利子という破格の条件で融資を受けることができます。

制度の詳細や最新情報は、WAM公式ホームページ(https://www.wam.go.jp/hp/rising_prices_00/)でご確認ください。


※この情報は2025年8月時点のものです。申込前に必ず最新情報をご確認ください。

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