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制度概要
福祉医療機構(WAM)では、近年の物価高騰により経営状況が悪化した福祉・医療施設を支援するため、優遇融資制度を実施しています。この制度は通常のメニューよりも有利な条件で融資を受けることができる特別制度です。
対象施設・事業
福祉貸付
- 社会福祉施設等
医療貸付
- 病院
- 介護老人保健施設
- 介護医療院
- 診療所
- 助産所
- 医療従事者養成施設
- 指定訪問看護事業
融資対象要件
対象となるには以下のいずれかの要件を満たす必要があります:
パターン①:基本要件
- 前年同月等と比較して物価高騰による費用増加等のため、収支差額の減少や経常赤字の状況にある施設・事業
- 直近1年以内の物価高騰等の影響を受けた月と前年比較で:
- 経常利益が減少している
- 人件費・減価償却費を除く事業費用が増加している
パターン②:処遇改善取組施設(優遇条件)
- パターン①の要件を満たす
- ベースアップ評価料・処遇改善加算の届出実績がある
- 経営改善計画書の提出が必要
パターン③:医療貸付のみ(最優遇条件)
- パターン②の要件を満たす
- 病床数適正化支援事業に係る事業計画の提出
- または地域医療構想調整会議での合意による再編・減床
融資条件一覧
項目 | パターン① | パターン②(処遇改善) | パターン③(医療のみ) |
---|---|---|---|
償還期間 | 10年以内 | 10年以内 | 10年以内 |
据置期間 | 1年6月以内 | 2年以内 | 5年以内 |
貸付利率 | 1.40% | 当初2年間無利子※ | 当初5年間無利子※ |
無担保限度額 | 500万円 | 500万円または直近事業収益2月分の高い方 | 500万円または直近事業収益2月分の高い方 |
※無利子適用は直近の事業収益2月分を上限
貸付金の限度額
パターン①の場合
- 物価高騰影響月の費用増加額×24倍
- 担保評価額×80%
- 医療貸付の施設別上限:
- 病院:7.2億円
- 介護老人保健施設・介護医療院:1億円
- その他:4,000万円
パターン②③の場合
- 担保評価額×80%(診療報酬債権担保は100%)
- 医療貸付の施設別上限(上記と同じ)
保証人について
以下から選択可能:
- 保証人不要制度:金利に一定利率上乗せ(福祉0.05%、医療0.15%)
- 個人保証:第三者保証人1名以上必要
資金使途・注意点
使用可能用途
- 物価高騰により増加した経費の補填
- WAMの既往借入金(新型コロナ対応支援資金等)の返済
使用禁止用途
- 民間金融機関への借換資金
- 建築資金への流用
- 他法人への流用・転貸
- その他定められた使途以外
違反した場合は繰上償還・違約金が発生
申し込みの流れ
- 申込書作成:HPから専用様式をダウンロード
- 書類郵送:〒105-8486 東京都港区虎ノ門4-3-13 ヒューリック神谷町ビル9F
- 審査:財務状況・償還能力等を確認
- 融資実行:審査通過後、契約締結・資金実行
お問い合わせ先
福祉貸付
- 専用番号:03-3438-0403
- 送付先:福祉医療貸付部 福祉審査課宛
医療貸付
- 専用番号:03-3438-9940
- 送付先:福祉医療貸付部 医療審査課宛
- 沖縄県の施設:沖縄振興開発金融公庫 098-941-1765
既存融資利用者
- コールセンター:0570-550-210(平日9時〜17時)
重要なポイント
✅ メリット
- 最大5年間無利子(条件により)
- 迅速な審査・実行
- 既往借入金の返済にも使用可能
- 無担保500万円まで
⚠️ 注意点
- 開業1年未満は対象外
- 使途制限があり、違反時は繰上償還
- 審査により希望額に沿えない場合あり
- 複数回申込み可能だが、その都度審査
まとめ
物価高騰で経営が圧迫されている福祉・医療施設にとって、非常に有利な制度です。特に処遇改善に取り組んでいる施設は、最大5年間無利子という破格の条件で融資を受けることができます。
制度の詳細や最新情報は、WAM公式ホームページ(https://www.wam.go.jp/hp/rising_prices_00/)でご確認ください。
※この情報は2025年8月時点のものです。申込前に必ず最新情報をご確認ください。
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