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1. はじめに
企業経営を続けていると、資金繰りの悪化や経営不振による借入の返済が難しくなることがあります。
そんな時に検討すべき選択肢の一つが「債務整理」です。
しかし、債務整理にはさまざまな種類があり、それぞれメリットやデメリットが異なるため、正しい知識を持つことが重要です。
本記事では、経営者が理解すべき債務整理の種類、手続き、リスクについて詳しく解説します。
2. 債務整理とは?
2-1. 債務整理の基本概念
債務整理とは、借金を減額したり、返済期間を延長したりすることで、借金返済の負担を軽減する手続きのことを指します。
主に次のような方法があります。
債務整理の種類 | 内容 | 主な適用対象 |
---|---|---|
任意整理 | 弁護士・司法書士が債権者と交渉し、利息カットや返済額の減額を図る | 会社経営者・個人事業主 |
特定調停 | 裁判所が仲介して、債権者と返済条件の変更を交渉する | 会社経営者・個人事業主 |
個人再生 | 裁判所の許可を得て、大幅な借金減額(最大80%)が可能 | 事業継続が必要な経営者 |
自己破産 | 裁判所の判断で借金の支払い義務を免除 | 借金返済が困難な経営者 |
3. 債務整理の種類とメリット・デメリット
3-1. 任意整理(にんいせいり)
✅ 特徴
- 裁判所を介さず、弁護士や司法書士が債権者と直接交渉
- 将来の利息カット、返済期間の延長などが可能
✅ メリット
- 裁判所を通さないため、手続きが簡単
- 会社経営を続けながら負担を軽減できる
⚠ デメリット
- 元本自体の減額はできない
- 債権者が交渉に応じない場合は成功しない
3-2. 特定調停(とくていちょうてい)
✅ 特徴
- 裁判所が仲介し、債権者と返済条件の見直しを調整
- 返済額の減額や支払い期間の延長が可能
✅ メリット
- 裁判所の仲介で交渉が進められるため、信頼性が高い
- 任意整理よりも低コストで手続き可能
⚠ デメリット
- 債務者自身が交渉する必要があるため、交渉力が問われる
- 利息は減額できるが、元本のカットは期待できない
3-3. 個人再生(こじんさいせい)
✅ 特徴
- 裁判所の許可を得て、借金を大幅に減額
- 5年間の分割払いが可能
✅ メリット
- 最大80%の借金をカットできる
- 自己破産とは異なり、会社経営を続けられる
⚠ デメリット
- 手続きが複雑で、弁護士費用が高い
- 継続的な収入がないと利用できない
3-4. 自己破産(じこはさん)
✅ 特徴
- 裁判所の決定により借金の支払い義務が免除される
- すべての債権者からの請求が停止
✅ メリット
- 借金をゼロにできる
- 差し押さえや強制執行を防げる
⚠ デメリット
- 信用情報(ブラックリスト)に登録される(約5~10年)
- 代表取締役の場合、会社を辞める必要がある
- 資産(不動産・車など)が処分される
4. 債務整理を検討する際の注意点
✅ 経営者が債務整理を行う際のポイント:
- 会社の資産・負債を正確に把握する
- 取引先や従業員への影響を考える
- 弁護士・専門家に相談し、最適な手続きを選ぶ
- 債務整理後の事業計画を立てる
➡ 経営者にとって、債務整理は最終手段。安易に選ばず、しっかりと検討することが重要!
5. 債務整理の手続きを進める流れ
✅ 一般的な債務整理の流れ:
- 専門家(弁護士・司法書士)へ相談
- 債務状況の整理・方針の決定
- 債権者との交渉開始(任意整理・特定調停の場合)
- 裁判所への申立(個人再生・自己破産の場合)
- 手続き完了後、計画に沿って返済を進める
6. まとめ
✅ 債務整理とは、経営者が借金を減額・整理するための手続き
✅ 任意整理・特定調停・個人再生・自己破産の4種類がある
✅ 債務整理を選ぶ際は、事業継続の可否を慎重に検討する
✅ 手続きは弁護士や専門家と相談しながら進めるのがベスト
経営者として、資金繰りに困った際は早めに対策を講じることが重要です!