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──「うちは大丈夫」が最も危険な理由
経営者の相続トラブルには、
はっきりとした“型(パターン)”があります。
実務の現場では、
「仲の良い家族だった」
「事業は順調だった」
「遺産もそれなりにあるだけ」
という家庭ほど、
想定外の深刻な争いに発展するケースが少なくありません。
本章では、
経営者の相続で実際に頻発する 典型的な揉めパターン を整理し、
「なぜ揉めるのか」「どう防ぐべきか」を明確にします。
■ パターン①:自社株を「平等」に分けようとして崩壊
● 何が起きるか
- 相続人全員に自社株を分散
- 議決権が分裂
- 社内で主導権争い
- 銀行・取引先の信用低下
● なぜ揉めるのか
- 「公平=平等」という誤解
- 経営と相続を切り分けて考えてしまう
● 防止策
- 自社株は後継者に集中
- 他の相続人には 代償分割
- 生前から「経営は1人」と説明
■ パターン②:不動産が多く、誰も譲らない
● 何が起きるか
- 収益不動産を巡る争い
- 「住みたい」「売りたくない」対立
- 名義変更が進まない
- 相続税特例が使えない
● なぜ揉めるか
- 不動産は分割できない
- 感情が絡みやすい
● 防止策
- 生前に分け方を決める
- 売却前提なら 換価分割
- 収益性・管理負担を数値で説明
■ パターン③:配偶者と子の利害対立
● 典型ケース
- 再婚・年齢差婚
- 先妻の子 vs 後妻
- 配偶者の生活保障 vs 子の承継
● なぜ揉めるか
- 法定相続分だけでは解決しない
- 感情と不信感が根深い
● 防止策
- 遺言は必須
- 配偶者居住権の検討
- 生命保険で生活資金を分離確保
■ パターン④:相続税より「感情」が爆発する
● 何が起きるか
- 「親に貢献したのは自分」
- 「介護したのは私」
- 「兄だけ優遇されている」
● なぜ揉めるか
- 財産ではなく“評価”の争い
- 金額が小さくても爆発
● 防止策
- 生前の説明・感謝の言語化
- 付言事項の活用
- 数字+想いの両立
■ パターン⑤:遺言がない/不完全
● 何が起きるか
- 遺産分割協議が必須
- 1人でも反対すれば進まない
- 調停・審判へ
● 防止策
- 公正証書遺言
- 家族信託との併用
- 「協議をさせない設計」
■ 結論:揉める原因は「制度」ではなく「準備不足」
経営者の相続トラブルは、
✔ 家族の仲
✔ 財産額
では決まりません。