任せる力を評価しよう。管理職の抱え込み疲弊から脱却する3つのポイント

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管理職が仕事を抱え込み、意欲が下がる──組織ができること

「部下に任せるべきなのに、結局自分でやってしまう」「他部署やチームにボールを投げるだけで、自分ごととして取り組まない」──管理職層でこうした状況が続くと、組織全体のパフォーマンスは落ち込みます。

仕事を抱え込む管理職は、一見「責任感が強い」「真面目」で頼もしい存在に見えます。しかし実際には、次第に意欲が低下し、疲弊してしまうことが少なくありません。

さらに問題なのは、管理職自身が疲れ果てる中で、「あれは他部署の問題だから」「やってと言われればやるけど」という“無責任な空気”がチーム内にも蔓延することです。

この状態を放置すると、会社全体が停滞し、挑戦意欲が消え、内部から変化する力を失ってしまいます。


なぜ管理職が抱え込むのか?

原因は多岐に渡りますが、よくあるのは以下のような理由です。

  • 「部下に任せるとミスが起きる」という不安

  • 自分が手を動かした方が早いという癖

  • 権限委譲のルールや仕組みが整備されていない

  • 経営側からも「仕事を抱え込むこと=頑張っている」と評価されがち

これらが重なることで、「一人で抱え込み、燃え尽き、最終的には意欲を失う」という悪循環に陥ります。


無責任な発言が出る背景

同時に、「それは他部署がやるべき」「誰も指示をくれないから動けない」など、自分ごとで考えない発言が増えるのも、管理職層に仕事のボールが集中している状態でよく起きます。

要は、責任が個人に集中し、周囲も「最終的にはあの人がやるだろう」という空気になるため、全体が傍観者的になってしまうのです。


組織ができる3つの対策

① 権限委譲のルールと評価基準を明文化する

「任せる力」や「チーム全体で成果を上げる力」を、管理職評価の大きな軸に据えることが必要です。

成果を自分で出すだけではなく、チームとして成果を生む行動を評価することで、管理職が安心して任せられる土壌をつくります。


② 業務の棚卸しを行い、仕事を分解する

「どの業務をどこまで任せるか」「どの範囲を管理職が持つか」を整理します。

属人的に抱えている業務を洗い出し、タスクレベルで他メンバーに割り振れる部分がないか、第三者の視点も交えて議論することが大切です。


③ 失敗を許容する文化を醸成する

「失敗が許されない空気」が強いと、管理職も部下も責任を取るのを恐れ、最終的に管理職が全部抱える構造になります。

小さな失敗を共有し、学びに変える場を持つことで、「完璧主義」から「挑戦を歓迎する組織」へ変化していきます。


管理職の意欲低下を防ぐ

一度抱え込み疲弊した管理職は、やがて意欲を失い、「指示があれば動くが、自分では考えない」状態になります。

この状態から抜け出すには、経営層が「任せるべき仕事」「管理職がやるべき仕事」を定義し、管理職自身と一緒に役割を再設計していく必要があります。

また、管理職同士の横のつながりを強める場をつくり、孤立感をなくすことも有効です。


まとめ

仕事を抱え込む管理職の問題は、個人の能力や性格だけではなく、組織全体の仕組みと文化の問題です。

「任せる勇気を持て」と個人に迫るのではなく、評価基準、仕事の分担、失敗を許容する空気を整備し、チーム全体で変わっていく。

これが、管理職の意欲を支え、組織が挑戦し続ける強い体質をつくる道です。

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