Contents
上司には良い顔、後輩には厳しく──そんな人をどう扱うか?
どの会社にも、必ずと言っていいほど「上司には愛想が良いのに、後輩や部下には態度が厳しい」社員がいます。報告やコミュニケーションは丁寧で、上層部から見ると「問題がない」「むしろ頼れる存在」に見えることも多いでしょう。
しかし、現場の後輩や部下は、「あの人と働くのがつらい」「やたらと細かいことを強く言われる」と感じ、離職や士気低下につながるケースも少なくありません。
このような「上司受けはいいが、部下に厳しい人」を放置すると、チームの雰囲気が悪化し、組織の持続的成長に深刻なダメージを与えます。
なぜ部下や後輩にだけ厳しくなるのか?
このタイプの人は、自分の評価を「上の目線」に合わせる傾向があります。上司に褒められたい、好かれたい、信頼されたいという思いが強いため、上には従順に見える行動を取ります。
一方で、自分より下だと感じる相手には「支配欲」「管理欲求」が強く出やすく、時にパワハラまがいの言動になることもあります。
この状態を放置すると、表面上はチームが回っているように見えても、裏では部下が疲弊し、能力ある人材が辞めていく悪循環が起こります。
どう対応するか?経営者・管理職の3つのアプローチ
① 現場の声を正しく吸い上げる仕組みをつくる
まず、部下や後輩が声をあげやすい環境を整えることが重要です。1on1面談、匿名アンケート、外部相談窓口など、心理的安全性のある仕組みで情報を集めます。
特に「上には良い顔をする」タイプは、経営陣に対しては問題を見せません。現場の声が唯一の情報源になります。
② 行動評価を明確にする
「成果だけを評価する」文化では、このタイプはいつまでも評価が高いままです。
行動面や部下育成への影響も含めた評価基準を設け、「チーム全体に与える影響」を評価に反映させることが大切です。
たとえば、「部下への指導の仕方」「チームコミュニケーション」「周囲からのフィードバック」など、ソフト面の評価指標を制度化しましょう。
③ 直接フィードバックし、行動変容を促す
一対一の場で、「部下への接し方に不安を感じる声がある」と事実をもとに伝え、改善を求めることも必要です。
このとき重要なのは、「人格否定」ではなく「行動」を指摘すること。具体的に何が問題か、どんな影響が出ているかを伝え、どうしていくかを話し合います。
注意すべき落とし穴
・「あの人は実力があるから」と黙認しない
→短期的には便利でも、チーム全体の成長を阻害します。
・後輩や部下に声をあげさせにくい空気を放置しない
→「チクるのはダメ」という空気は、優秀な人材の流出につながります。
組織全体で「支え合う文化」を醸成する
結局のところ、このような問題は評価制度や仕組みだけではなく、組織文化が大きく影響します。
「上には従順で、下には厳しく振る舞う」行動が得をしない、むしろ周囲からも支持されない環境をつくること。
そのためには、経営陣が「支え合う」「育て合う」「敬意を持ち合う」価値観を発信し、評価制度やフィードバック制度と連動させて、チームで体現していくことが大切です。
まとめ
「上司には良い顔をし、後輩にだけ厳しい人」は、短期的に見ると業務推進力があるように見えます。しかし、放置すれば現場の士気を蝕む存在になります。
経営者や管理職は、情報収集の仕組みを整え、行動評価の基準を整備し、必要に応じてフィードバックを行うことで、チームの信頼関係を守りましょう。
リーダーは、上に対してだけではなく、周囲や部下からも信頼される存在であって初めて、本当の意味で組織を引っ張れるのです。
無料組織診断のご案内
3分でわかる【無料組織診断】では,採用、育成、定着、評価制度、組織文化の7領域を数値化
-
弱点の可視化と改善アドバイスを無料で提供
-
結果はPDFレポート形式で即日送付!
今すぐ診断を受けたい方は、以下のフォームからどうぞ
[無料組織診断フォーム]