【2026年最新版】TTS・TTB・TTMを完全理解する

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──経営者が「為替で損しない」ために必ず知っておくべき基礎知識

外貨建て取引で損をしないために経営者が押さえるべき基礎は、銀行の為替レートにはTTS・TTB・TTMの3種類があり、実際の売買には必ずTTSかTTBが使われるという点です。

外貨預金、海外送金、輸出入取引、
外貨建て資産や外貨建て保険――。

外貨預金・海外送金・輸出入取引・外貨建て資産などの場面で必ず登場するのが、


✔ TTS

✔ TTB

✔ TTM


という為替レートです。

多くの経営者が、

  • 「レートは1つだと思っていた」
  • 「ニュースの為替レートと実際の取引が違う」
  • 「なぜ同じ日に損したり得したりするのか分からない」

と感じる原因は、
TTS・TTB・TTMという3つのレートの違いを理解していないことにあります。

この記事では、
2026年時点の実務運用を前提に、
TTS・TTB・TTMの意味、使われ方、
そして経営者が意思決定で注意すべきポイントを
わかりやすく解説します。

この記事の要点

  • TTSは外貨を買うとき、TTBは外貨を売るときに適用される銀行のレートで、TTMはTTSとTTBの中間にある基準値(仲値)です。
  • ニュースで報じられるTTMでは外貨を売買できず、外貨預金・海外送金・輸出入の決済には必ずTTSかTTBが適用されます。
  • TTSとTTBの差(為替スプレッド)が実質的な為替手数料です。記事の数値例では1ドルあたり2円、10万ドルで20万円の往復コストになります。
  • 外貨を買う予定ならTTS、売る予定ならTTB、評価額や資料作成ならTTMを確認するのが実務上の使い分けです。
  • 法人税の取扱いでは、外貨建取引の円換算や期末の換算はTTMが原則で、継続適用を条件にTTB・TTSも認められています。

■ 1. まず結論|TTS・TTB・TTMとは何か?

TTSは銀行が外貨を売るレート、TTBは銀行が外貨を買うレート、TTMはTTSとTTBの中間の基準レートです。TTSとTTBはどちらも銀行目線の名前である点が重要です。

結論から整理します。


✔ TTS(Telegraphic Transfer Selling rate)

TTS(電信売相場)は、銀行が顧客に外貨を売るときのレートで、顧客から見ると円で外貨を買うときに適用されるレートです。

→ 銀行が「外貨を売る」レート

✔ TTB(Telegraphic Transfer Buying rate)

TTB(電信買相場)は、銀行が顧客から外貨を買うときのレートで、顧客から見ると外貨を売って円に戻すときに適用されるレートです。

→ 銀行が「外貨を買う」レート

✔ TTM(Telegraphic Transfer Middle rate)

TTM(仲値)は、TTSとTTBのちょうど中間に位置する基準レートで、為替ニュースや会計上の換算の基準として使われます。

→ TTSとTTBの中間レート(基準値)

レート銀行から見ると顧客(私たち)から見ると主な使われ方
TTS(電信売相場)外貨を売る外貨を買う(円→外貨)外貨預金の預け入れ、海外送金
TTB(電信買相場)外貨を買う外貨を売る(外貨→円)外貨預金の払い戻し、海外からの入金
TTM(仲値)売買の基準値このレートでは売買できない為替ニュース、会計上の換算
TTS・TTB・TTMの比較(本記事の内容を整理)

ポイントは、


❗ TTSとTTBは「銀行目線」のレート

❗ 私たちは常に「銀行の反対側」に立たされる


という点です。


■ 2. TTM(仲値)とは?ニュースで見る為替の正体

為替ニュースで目にするレートの多くはTTM(仲値)です。TTMは売買の基準値であり、TTMのレートで実際に外貨を売買することはできません。

● TTMの意味

TTMは、TTS(売値)とTTB(買値)のちょうど中間に位置するレートで、銀行が外貨の売買レートを決める際の基準になります。

TTMは、

TTS(売値)とTTB(買値)の
ちょうど中間に位置するレート

です。


● なぜTTMが使われるのか?

TTMは売り手・買い手のどちらにも偏らない中立的な値のため、為替ニュースや相場の基準値、会計上の評価替えに使われます。

  • 為替ニュース
  • 為替相場の基準値
  • 会計上の評価替え

などでは、
取引実態のない「基準レート」として
TTMが使われます。


● 重要な注意点

TTMはあくまで参考値です。外貨預金や海外送金など実際の取引では、TTMではなく必ずTTSまたはTTBが適用されます。


❌ TTMでは、実際の外貨売買はできない


TTMはあくまで「参考値」であり、
実際の取引では必ず
TTSまたはTTBが適用されます。


■ 3. TTSとは?(外貨を「買う」ときのレート)

TTSは、私たちが円を外貨に替えるときに適用されるレートです。TTSはTTMより円安側に設定されるため、外貨を買う時点で銀行のコストが上乗せされています。

● TTSの意味

TTSは「銀行が外貨を売る」レートであり、顧客から見ると外貨を買うときのレートです。名前と顧客の行動が逆になる点に注意が必要です。

TTSとは、

銀行が外貨を「売る」ときのレート
→ 私たちが 外貨を買うときのレート

です。


● 具体例(米ドル)

説明用の数値例として、TTMが1ドル=150円、TTSが1ドル=151円の場合、私たちがドルを買うと151円で買うことになります。

  • TTM:1ドル=150円
  • TTS:1ドル=151円

👉 私たちがドルを買うと、
151円で買わされる


● TTSが使われる場面

TTSが適用されるのは、円を外貨に替える取引です。代表例は外貨預金の預け入れ、円建て資金での外貨購入、円から外貨への海外送金です。

  • 外貨預金を円から外貨に替える
  • 円建て資金で外貨を購入
  • 海外送金(円→外貨)

● 経営者視点の注意点

外貨を買う時点で、TTSとTTMの差額というコストがすでに発生しています。TTSとTTMの差額は明細に手数料として表示されにくい点に注意が必要です。


✔ 外貨を買う時点で、すでにコストが発生している


TTSとTTMの差額という「見えにくいコスト」が
為替取引で損をする最大要因です。


■ 4. TTBとは?(外貨を「売る」ときのレート)

TTBは、私たちが外貨を円に戻すときに適用されるレートです。TTBはTTMより円高側に設定されるため、外貨を売るときにも銀行のコストが差し引かれます。

● TTBの意味

TTBは「銀行が外貨を買う」レートであり、顧客から見ると外貨を売るときのレートです。TTSと同様、名前は銀行目線で付けられています。

TTBとは、

銀行が外貨を「買う」ときのレート
→ 私たちが 外貨を売るときのレート

です。


● 具体例(米ドル)

説明用の数値例として、TTMが1ドル=150円、TTBが1ドル=149円の場合、私たちがドルを売ると149円でしか売れません。

  • TTM:1ドル=150円
  • TTB:1ドル=149円

👉 私たちがドルを売ると、
149円でしか売れない


● TTBが使われる場面

TTBが適用されるのは、外貨を円に替える取引です。代表例は外貨預金の払い戻し、外貨建て資産の売却、海外からの外貨入金の円転です。

  • 外貨預金を円に戻す
  • 外貨建て資産を売却
  • 海外からの入金(外貨→円)

■ 5. 為替手数料の正体=TTSとTTBの差(スプレッド)

為替取引の実質的な手数料は、TTSとTTBの差である為替スプレッドです。為替スプレッドは取引金額に比例するため、金額が大きいほどコストも大きくなります。

多くの人は、

  • 「為替手数料は数百円」
    と思っていますが、
    実際のコストはTTSとTTBの差(スプレッド)にあります。

✔ TTS − TTB = 為替スプレッド(実質手数料)


● 例(米ドル)

説明用の数値例として、TTSが151円、TTBが149円の場合、為替スプレッドは1ドルあたり2円で、10万ドルを往復させると20万円のコストになります。

  • TTS:151円
  • TTB:149円
    → 差額:2円

👉 1ドルあたり2円がコスト

10万ドルなら
20万円が往復コストになります。


● 経営者にとってのインパクト

外貨預金、海外送金、輸出入取引のように外貨を扱う金額が大きい企業ほど、TTSとTTBの差(為替スプレッド)の負担は無視できなくなります。

  • 外貨預金
  • 海外送金
  • 輸出入取引

金額が大きくなるほど、
TTSとTTBの差(為替スプレッド)は無視できません。


■ 6. 経営者がよくやる誤解

経営者に多い誤解は、為替レートを1つだと思うこと、ニュースのレートで取引できると思うこと、為替差益をそのまま儲けと考えることの3つです。

❌ 誤解①:為替は「1つのレート」だと思っている

銀行の為替レートは1つではありません。外貨を買うときのTTS、売るときのTTB、基準値のTTMという3つのレートがあります。

→ 実際は3つある

❌ 誤解②:ニュースのレートで取引できる

為替ニュースで報じられるTTM(仲値)は参考値のため、TTMのレートで外貨を売買することはできません。

→ できない(TTMは参考値)

❌ 誤解③:為替差益=儲け

為替差益が出ていても、TTSとTTBの差(為替スプレッド)を差し引くと実際の利益は小さくなり、損失になる場合もあります。

→ スプレッドを考慮していない


■ 7. 実務での使い分け(経営者向け)

実務では、外貨を買う予定があればTTS、売る予定があればTTB、評価額の算定や資料作成ではTTMを確認するのが基本の使い分けです。

✔ 外貨を買う予定がある

外貨預金の預け入れや円からの海外送金など、外貨を買う予定がある場合は、取引前に銀行のTTSを必ず確認します。

→ TTSを必ず確認

✔ 外貨を売る予定がある

外貨預金の払い戻しや海外からの入金の円転など、外貨を売る予定がある場合は、取引前に銀行のTTBを必ず確認します。

→ TTBを必ず確認

✔ 評価額・資料作成

外貨建て資産の評価額の算定や社内資料の作成では、売買の方向に偏らない基準値であるTTM(仲値)を使用します。

→ TTMを使用

場面確認・使用するレート
外貨を買う(円→外貨)TTS
外貨を売る(外貨→円)TTB
評価額の算定・資料作成TTM
場面別のレートの使い分け(本記事の内容を整理)

■ 8. 法人取引・会計処理との関係

法人の決算時における外貨建て債権・債務などの評価替えはTTMが原則です。一方、実際の売買や入出金にはTTS・TTBが適用されるため、両者を区別して処理する必要があります。

法人では、

  • 外貨建て債権・債務
  • 外貨預金
  • 海外取引

について、


✔ 決算時の評価替えは「TTM」が原則


一方で、

  • 実際の売買
  • 入出金

では
TTS・TTBが適用されます。

決算時の評価替え(TTM)と実際の売買・入出金(TTS・TTB)を混同すると、
会計・税務処理を誤ります。

● 法人税の取扱い(国税庁の法人税基本通達)

法人税では、外貨建取引の円換算も期末の換算もTTM(電信売買相場の仲値)が原則で、継続適用を条件にTTB・TTSを使う例外が認められています。

  • 取引時の換算:原則は取引日のTTM。継続適用を条件に、売上その他の収益・資産は取引日のTTB、仕入その他の費用・負債は取引日のTTSによることもできます(法人税基本通達13の2-1-2)。
  • 期末時換算法による換算:原則は事業年度終了の日のTTM。継続適用を条件に、外国通貨の種類ごとに、外貨建資産はTTB、外貨建負債はTTSによることもできます(法人税基本通達13の2-2-5)。

自社でどのレートを採用するかは、継続適用が前提となるため、顧問税理士と確認したうえで決めることをおすすめします。


■ 9. 2026年時点での実務的アドバイス

為替変動が大きく急変動も起こりやすい2026年の環境では、TTS・TTB・TTMというレートの種類を理解すること自体が為替リスク管理の第一歩になります。

  • 為替変動が大きい時代
  • 金利差による急変動
  • 地政学リスクの常態化

為替変動・金利差・地政学リスクが重なる環境下では、


✔ 為替レートの「種類」を理解すること自体がリスク管理


と言っても過言ではありません。


■ 10. まとめ|TTS・TTB・TTMを知らずに外貨取引はできない

TTSは外貨を買うとき、TTBは売るときのレートで、TTMは基準値です。実際の取引は必ずTTSかTTBで行われ、両者の差が実質的な為替手数料になります。

最後に要点を整理します。


✔ TTS:外貨を買うときのレート

円を外貨に替える外貨預金の預け入れや海外送金では、TTS(電信売相場)が適用されます。

✔ TTB:外貨を売るときのレート

外貨を円に戻す外貨預金の払い戻しや海外からの入金では、TTB(電信買相場)が適用されます。

✔ TTM:TTSとTTBの中間の基準レート

TTM(仲値)は為替ニュースや会計上の換算に使われる基準値で、TTMのレートで売買はできません。

✔ 実際の取引は必ずTTSかTTB

外貨預金・海外送金・輸出入の決済など実際の外貨取引には、TTMではなく必ずTTSかTTBが適用されます。

✔ スプレッドが実質的な為替手数料

TTSとTTBの差である為替スプレッドが実質的な為替手数料であり、取引金額に比例して大きくなります。

✔ 金額が大きい経営者ほど影響大

外貨を扱う金額が大きい企業ほど、為替スプレッドによるコストが利益率に与える影響は大きくなります。


TTS・TTB・TTMは、
単なる用語ではなく、


✔ 経営判断のコスト

✔ 資産運用の成否

✔ 海外取引の利益率


を左右する重要な知識です。

経営者は
「為替は難しい」ではなく、
「構造を理解して管理する」
という姿勢が求められます。

よくある質問(FAQ)

TTS・TTB・TTMについて、経営者からよく寄せられる質問に結論から回答します。

Q. TTS・TTB・TTMの違いは何ですか?

TTSは顧客が外貨を買うときのレート、TTBは顧客が外貨を売るときのレート、TTMはTTSとTTBの中間にある基準レート(仲値)です。実際の外貨取引には必ずTTSかTTBが適用されます。

Q. 外貨を買うときと売るときは、どちらのレートを確認すればよいですか?

外貨を買うとき(円→外貨)はTTS、外貨を売るとき(外貨→円)はTTBを確認します。評価額の算定や資料作成ではTTMを使います。

Q. ニュースで見る為替レートで外貨を売買できますか?

できません。為替ニュースで報じられるレートの多くはTTM(仲値)という参考値で、実際の取引にはTTSまたはTTBが適用されます。

Q. 為替手数料の正体は何ですか?

TTSとTTBの差である為替スプレッドが実質的な為替手数料です。たとえばTTSが151円、TTBが149円なら1ドルあたり2円、10万ドルで20万円の往復コストになります。

Q. 法人の決算で外貨建て資産・負債を換算するときは、どのレートを使いますか?

法人税基本通達13の2-2-5では、期末時換算法による換算は事業年度終了の日のTTMが原則です。継続適用を条件に、通貨の種類ごとに外貨建資産はTTB、外貨建負債はTTSによることもできます。

出典

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