【2026年最新版】夫の定年後、専業主婦は国民年金を払う必要がある?

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──第3号被保険者の終了、保険料の発生、手続きの落とし穴まで経営者も押さえるべき基礎知識

夫が厚生年金から抜けると、20歳以上60歳未満の専業主婦の妻は第3号被保険者でなくなり、第1号被保険者として国民年金保険料を自分で納める必要があります。

「夫が定年退職したら、専業主婦の妻は国民年金を払う必要があるのか?」
この質問は、年金相談の中でもとても多いテーマです。

結論からいうと…


✔ 夫が会社員として厚生年金に加入している期間

→ 妻は「保険料を払わなくてもよい(第3号被保険者)」

✔ 夫が定年退職した瞬間

→ 妻は第3号資格を失い、
→ 自分で国民年金保険料を払う必要がある(第1号被保険者)


にもかかわらず、
第3号から第1号への切り替え手続きをしていない家庭が非常に多く、
後から未納扱いとなり、
年金が減ってしまうケースが後を絶ちません。

本記事では、2026年の最新制度を踏まえつつ、
「夫の定年と専業主婦の国民年金保険料」について整理し、
経営者の家庭でも絶対に知っておくべき重要ポイントをまとめます。

この記事の要点

  • 専業主婦の妻が保険料なしで国民年金に加入できる「第3号被保険者」は、夫が厚生年金に加入していることが前提です。
  • 夫が定年退職などで厚生年金を抜けると、20歳以上60歳未満の妻は第1号被保険者になり、国民年金保険料(2026年度は月額17,920円)を自分で納めます。
  • 第1号への種別変更は、市区町村の国民年金窓口などに14日以内に届け出る必要があります。
  • 夫が再雇用で厚生年金に入り続ければ妻は第3号のままですが、夫が65歳になり老齢基礎年金の受給権を満たすと、妻は第3号でなくなります。
  • 手続きを忘れて未納のまま納付期限から2年が過ぎると時効で納められなくなり、将来の老齢基礎年金が減ります。

【2026年10月更新】主な数値と制度変更

2026年10月の更新で、国民年金保険料と年金額を2026年度の金額に改め、パート従業員の厚生年金加入の「賃金要件(年収106万円の壁)」の撤廃を反映しました。

項目2025年度2026年度
国民年金保険料(月額)17,510円(江東区)17,920円(日本年金機構)
老齢基礎年金の満額(月額、昭和31年4月2日以後生まれ)69,308円(日本年金機構)70,608円(日本年金機構)
パートの厚生年金加入の賃金要件月額8.8万円以上(年収約106万円)2026年10月1日に撤廃(日本年金機構)
国民年金・厚生年金の主な数値(各出典をもとに作成)

■ 1. 専業主婦の年金「第3号被保険者」は夫の厚生年金に依存している

専業主婦が保険料なしで国民年金に加入できる第3号被保険者の制度は、夫が厚生年金に加入していることが前提です。夫が厚生年金を抜けると、妻の第3号の資格もなくなります。

まず理解すべきは、
専業主婦(または年収130万円未満のパート主婦)が
保険料を払わずに年金加入できるのは、
夫が厚生年金に加入している場合に限られること。

専業主婦の基礎年金は、


「夫の厚生年金加入に付随する制度」


なのです。

そのため、夫が厚生年金から離れれば、
その瞬間に妻の“保険料免除の権利”は消滅します。


■ 2. 夫の定年(厚生年金脱退)とともに、妻は「第3号 → 第1号」へ変更

夫が退職して厚生年金の資格を失うと、妻の第3号の資格も終わります。妻は第1号被保険者になるため、市区町村で種別変更の届出が必要です。

夫が会社を退職し、
厚生年金の資格を失うと、
自動的に妻の第3号資格も終了します。

第3号から第1号への変更は 自動的に第1号になるわけではなく、手続きが必要 です。


【妻がすべきこと】

妻は、市区町村役場の国民年金窓口に、第3号被保険者から第1号被保険者への種別変更の届出を提出します。

● 市区町村役場で
「国民年金第1号被保険者への種別変更届」
を提出する。


【提出期限】

種別変更の届出の期限は、夫が厚生年金の資格を失った日から14日以内です。期限を過ぎても届出は必要ですが、早めの手続きが大切です。

夫の厚生年金資格を失った日から 14日以内

※日本年金機構のよくある質問でも、第1号被保険者になる場合は14日以内に市区町村役場の国民年金窓口へ届け出るよう案内されています(日本年金機構)。


種別変更の届出を怠ると後で未納になるため要注意。


■ 3. 妻が第1号被保険者になると、国民年金保険料を自分で支払う

第1号被保険者になった妻は、60歳になるまで国民年金保険料を自分で納めます。2026年度の保険料は月額17,920円です。

2026年度の国民年金保険料は 月額17,920円 です(2025年度は月額17,510円)。
夫の定年後は、この保険料を妻自身が負担します。

出典:日本年金機構、江東区

つまり、


専業主婦でも“自分で年金保険料を払う時期”が来る。


60歳になるまでの年齢が若いほど、
支払う期間も長くなります。


■ 4. 夫の定年が65歳より早い場合(60歳退職など)は特に要注意

60歳定年後に再雇用される場合、妻が第3号のままでいられるかは、夫が再雇用後も厚生年金に加入するかどうかで決まります。

多くの会社が「60歳定年 → 再雇用」ですが、
再雇用の場合の厚生年金加入がどうなるかにより、
妻の第3号資格も変わります。


◆ パターン① 再雇用後も厚生年金に加入する場合

夫が再雇用後も厚生年金に加入していれば、妻は第3号被保険者のままで、国民年金保険料を自分で負担する必要はありません。

→ 妻は引き続き 第3号のまま
→ 保険料の負担なし


◆ パターン② 再雇用後は厚生年金に加入しない場合

夫が再雇用後に厚生年金に加入しない働き方になる場合、妻は第1号被保険者に変更し、国民年金保険料を自分で納める必要があります。

→ 妻は 第1号に変更し、自分で支払う必要

パターン①と②のどちらになるかは会社の雇用条件によるため、
「夫が厚生年金に加入し続けているか」を確認することが重要です。

◆ 補足:夫が65歳になったときも妻は第3号でなくなる

夫が厚生年金に加入して働き続けていても、夫が65歳になり老齢基礎年金の受給権を満たすと、妻は第3号被保険者でなくなります。

日本年金機構によると、厚生年金に加入している人が第2号被保険者になるのは原則65歳未満までです。65歳に到達して老齢基礎年金の受給権を満たすと第2号被保険者でなくなるため、その被扶養配偶者は第3号被保険者から第1号被保険者への切り替えが必要になり、60歳まで国民年金保険料を納めます(日本年金機構)。

夫婦の年齢差が大きく、夫が65歳になった時点で妻が60歳未満の家庭は、夫が働き続けていても妻の手続きが必要になる点に注意が必要です。

夫の状況妻(20歳以上60歳未満の専業主婦)の扱い
会社員として厚生年金に加入中(65歳未満)第3号被保険者(保険料の負担なし)
定年退職して厚生年金を抜けた第1号被保険者(保険料を自分で負担、種別変更の届出が必要)
再雇用後も厚生年金に加入(65歳未満)第3号被保険者のまま
再雇用後は厚生年金に加入しない第1号被保険者
65歳になり老齢基礎年金の受給権を満たした第1号被保険者(夫が働き続けていても切り替えが必要)
個人事業主として独立した第1号被保険者
夫の状況別にみた妻の国民年金の扱い(本記事の内容と日本年金機構の案内をもとに整理)

■ 5. 夫が自営業者になった場合

夫が会社を辞めて個人事業主になると、夫は第1号被保険者になり、専業主婦の妻も第1号被保険者になるため、夫婦ともに国民年金保険料が必要です。

夫が独立し個人事業主になると、

  • 夫 → 第1号
  • 妻 → (専業主婦なら)第1号

となり、
夫婦ともに国民年金保険料が必要です。

なお、法人成りして夫が会社の役員として厚生年金に加入すれば、妻は第3号被保険者になれます。個人事業主のままか、法人成りしたかで妻の扱いが変わる点に要注意。


■ 6. 妻が60歳以上の場合の取り扱い

妻が60歳以上なら国民年金の加入義務はありません。ただし保険料の納付月数が480月に満たない場合は、65歳まで任意加入して年金額を増やせます。

妻が60歳になっていれば、
第3号・第1号の対象年齢(20歳以上60歳未満)を過ぎているため、

  • 国民年金への加入義務がない
  • ただし「任意加入」を選ぶと年金額を増やせる

という選択肢があります。

任意加入は、20歳から60歳までの保険料の納付月数が480月(40年)に満たない人なら 65歳まで 利用でき、
年金額を増やせます。

なお、65歳以上70歳未満の任意加入は、
老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていない人に限られます。

出典:日本年金機構「任意加入制度」


■ 7. 妻がパート勤務で厚生年金加入の場合は?

妻自身がパート先で厚生年金に加入している場合、妻は第2号被保険者です。第3号の扱いがないため、夫の定年退職の影響は受けません。

妻がパート勤務で厚生年金に加入している場合が、最大の誤解ポイント。

妻がパート勤務で、

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 勤務先の従業員数が51人以上
  • 学生でない

などで
妻自身が厚生年金に加入している 場合は、

※パートの厚生年金加入の賃金要件(月額8.8万円以上、いわゆる年収106万円の壁)は2026年10月1日に撤廃されました(日本年金機構)。従業員数の要件は2027年10月以降、段階的に縮小される予定です(厚生労働省)。


妻は第2号被保険者扱い

→ 夫の退職と無関係
→ 第3号の扱い自体が存在しない


です。

つまり、妻自身が厚生年金に加入していれば、夫の定年の影響を受けません。


■ 8. 「第3号のまま」の誤解とトラブル(未納扱い)

夫の退職後も妻が第3号のままだと思い込み、種別変更をしないまま国民年金保険料が未納になるケースが多くあります。

現実の相談では、次のようなケースが非常に多い。


● 夫が退職したことに気づかず

夫の退職や厚生年金の資格喪失に気づかないと、妻は第3号のままだと思い込み、何年も国民年金保険料が未納になるおそれがあります。

妻が第3号のままだと思い込み、何年も未納になる

→ 最悪の場合、将来の年金額が数十万円減少

→ 納付期限から2年の時効が過ぎ、後から納められなくなることもある

※補足:未納の国民年金保険料は、納付期限から2年を過ぎると時効で納められなくなります(日本年金機構)。なお「追納」は免除や納付猶予を受けた期間の保険料を後から納める制度で、10年以内であれば納められます(日本年金機構)。

※試算:2026年度の老齢基礎年金の満額(月額70,608円)をもとにすると、1年分(12か月)の未納で老齢基礎年金は年額で約2.1万円減ります(70,608円×12か月×12/480)。20年間受け取ると約42万円の差になります(満額の出典:日本年金機構)。


未納を防ぐことが本当に重要で、
夫婦で制度理解をしていないと損をします。


■ 9. 必ず押さえるべき「専業主婦の年金が減る典型パターン」

専業主婦の年金が減る典型は、種別変更の手続き忘れ、保険料の未納、免除後の未追納、60歳以降の空白、離婚・死別後の放置の5つです。

以下のケースでは、
専業主婦の将来の老齢基礎年金(2026年度の満額は月額70,608円)が
満額に到達しない可能性があります。

※老齢基礎年金の満額は毎年度改定されます(昭和31年4月2日以後生まれの金額。出典:日本年金機構)。


✔ 第3号 → 第1号への変更手続きを忘れる

✔ 第1号の保険料を払わない(未納)

✔ 免除を利用しても増額されないことがある

✔ 60歳以降に加入せず“空白期間”ができる

✔ 離婚・夫の死亡で第3号資格が消滅したのに放置


年金の空白期間(未納期間)は、
非常に大きな損失になります。


■ 10. 経営者の家庭で特に注意すべきこと

経営者の家庭では、定年後の顧問契約や独立、短時間勤務など働き方が変わりやすく、そのたびに妻の国民年金の扱いが変わる点に注意が必要です。

経営者家庭では、
定年前後や事業変更により次のような影響があります。


◆ ケース①:夫が定年後に「顧問契約・嘱託」で厚生年金に入らない

夫が定年後に顧問契約や嘱託など厚生年金に加入しない形で働く場合、妻は第1号被保険者として国民年金保険料を自分で納める必要があります。

→ 妻は自分で国民年金を支払う必要


◆ ケース②:夫が個人事業主として独立

夫が個人事業主として独立すると夫は第1号被保険者になり、妻も第3号から第1号被保険者へ種別変更する必要があります。

→ 妻は第1号に変更する必要あり


◆ ケース③:夫が再雇用されても「短時間労働で厚生年金に入らない」

夫が再雇用されても短時間勤務で厚生年金に加入しない場合、妻は第3号被保険者のままではいられず、第1号への変更が必要です。

→ 妻は第3号のままではいられない


◆ ケース④:夫婦ともに60代の場合

夫婦ともに60代の場合、妻に国民年金の加入義務はありませんが、納付月数が480月未満なら65歳まで任意加入して老齢基礎年金を増やせます。

→ 任意加入を活用すると老齢基礎年金を増やせる


経営者は勤務形態が自由度が高いため、
妻の年金制度が“固定されていない”点を理解すべきです。


■ 11. まとめ:夫の定年と同時に「妻の年金制度が変わる」ことを必ず確認すべき

夫の定年や働き方の変化で、妻の国民年金の扱いは変わります。夫婦で加入状況を確認し、必要な種別変更を14日以内に済ませることが、将来の年金を守る第一歩です。

最後に要点をまとめます。


✔ 夫の定年→厚生年金脱退

→ 妻は第3号の資格を失う

✔ 妻は必ず「第1号」へ種別変更手続きが必要

(14日以内)

✔ 第1号になると国民年金保険料を自分で負担

✔ 夫が再雇用で厚生年金に入れば妻は第3号継続

✔ 妻がパートで厚生年金加入なら夫の退職は無関係

✔ 手続きを忘れると未納扱いになり将来の年金が減る


「第3号のままと思っていたら実は未納」というケースは、
本当に多く発生します。

経営者家庭でも
会社の退職・勤務形態の変更が多いため、
夫婦で制度理解を共有することが重要です。

よくある質問(FAQ)

夫の定年と専業主婦の妻の国民年金について、よくある質問に結論から回答します。

Q. 夫が定年退職したら、専業主婦の妻は国民年金保険料を払う必要がありますか?

はい。夫が厚生年金を抜けると、20歳以上60歳未満の妻は第3号被保険者でなくなり、第1号被保険者として国民年金保険料を自分で納めます。2026年度の保険料は月額17,920円です。

Q. 第3号から第1号への切り替えはどこで、いつまでに手続きしますか?

市区町村役場の国民年金窓口などで、種別変更の届出を14日以内に行います。マイナポータルから電子申請できる場合もあります。

Q. 夫が再雇用で働き続ける場合、妻は第3号のままですか?

夫が再雇用後も厚生年金に加入していれば、妻は第3号のままです。ただし夫が65歳になり老齢基礎年金の受給権を満たすと、夫が働き続けていても妻は第1号への切り替えが必要です。

Q. 妻が60歳以上の場合はどうなりますか?

妻が60歳以上なら国民年金の加入義務はありません。20歳から60歳までの納付月数が480月未満なら、65歳まで任意加入して年金額を増やせます。

Q. 手続きを忘れて未納になった場合はどうなりますか?

未納の国民年金保険料は納付期限から2年以内なら納められますが、2年を過ぎると時効で納められなくなり、将来の老齢基礎年金が減ります。

出典

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