【令和8年度】最低賃金「56円」引き上げで何が変わる?中小企業が今すぐ活用したい補助金・助成金・税制を徹底解説

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最低賃金56円引き上げは「コスト」ではなく「経営改革」のチャンス

令和8年度の最低賃金は、全国加重平均で56円引き上げられました。

これは過去最大級の引き上げ幅となり、多くの中小企業にとって人件費の大幅な増加につながります。

製造業、建設業、運送業、飲食業、小売業、介護・福祉など、人件費比率の高い業種ほど影響は大きく、

「賃上げをしたいが利益が残らない」

「設備投資まで資金が回らない」

という悩みを抱える企業も少なくありません。

しかし今回、国は賃上げを進める企業向けに、助成金・補助金・税制・融資制度を幅広く用意しています。

重要なのは、それぞれを単独で考えるのではなく、組み合わせて活用することです。


結論

今回のポイントは5つあります。

① 助成金と補助金は併用できる

② 業務改善助成金は設備投資を後押しする制度

③ キャリアアップ助成金で処遇改善も支援される

④ 税制・融資制度まで含めるとキャッシュフロー改善につながる

⑤ 無料相談窓口を活用すれば制度選びも進めやすい

つまり、

「賃上げへの対応」

ではなく、

「会社全体の生産性向上」

という視点が重要になります。


助成金と補助金は併用できる

意外と知られていませんが、

厚生労働省の助成金と、

経済産業省・中小企業庁の補助金は、

条件を満たせば併用できます。

例えば、

省力化設備を補助金で導入し、

その設備投資によって生産性が向上し、

賃上げを実施した部分について助成金を活用するという組み合わせです。

ただし、

同じ設備や同じ経費に対して重複して支援を受けることはできません。

例えば、

設備購入費を補助金で受けながら、

同じ設備費用を助成金でも申請することはできません。

設備投資は補助金、

賃上げは助成金、

というように対象経費を分けることが重要です。


業務改善助成金は「賃上げ補助」ではない

業務改善助成金は、

事業場内最低賃金を引き上げるとともに、

生産性向上につながる設備投資等を行う場合に活用できます。

対象例として、

POSレジシステム

リフト付き特殊車両

機械設備

コンサルティング

などが挙げられています。

助成率は

3/4

または

4/5

です。

事業場内最低賃金が1,050円未満の場合は4/5、

1,050円以上の場合は3/4となります。

助成上限額は

30万円から600万円。

600万円となるのは、

例えば10人以上を90円コースで引き上げるようなケースです。

つまり、

設備投資によって利益を生み、

その利益で賃上げを続けられる企業づくりを支援する制度と考えるべきでしょう。


キャリアアップ助成金で処遇改善を進める

非正規雇用が多い企業では、

キャリアアップ助成金も重要です。

最低賃金改定に合わせて、

賃金規定を見直した場合でも対象となるケースがあります。

中小企業では、

労働者1人当たり

3%以上4%未満で4万円

4%以上5%未満で5万円

5%以上6%未満で6万5,000円

6%以上で7万円

が支給されます。

対象人数は

1年度1事業所当たり100人まで。

最低賃金への対応を、

単なる法令対応ではなく、

人材定着につなげる制度として活用したいところです。


働き方改革推進支援助成金も活用できる

設備導入による業務改善を検討する企業では、

働き方改革推進支援助成金も選択肢になります。

助成率は原則3/4。

基本部分の上限額は

25万円から550万円。

さらに、

賃上げを実施した場合には、

6万円から最大720万円まで上限額が加算されます。

割増賃金率引き上げでは

25万円から100万円の加算もあります。


設備投資に使える補助金も充実

賃上げと同時に設備投資を進める企業向けには、

さまざまな補助金があります。

中小企業省力化投資補助金

カタログ注文型

補助率1/2

補助上限500万円~1,000万円

大幅賃上げで750万円~1,500万円

一般型

補助率1/2

小規模事業者・再生事業者は2/3

最低賃金引上げ特例では補助率2/3

補助上限750万円~8,000万円

大幅賃上げで最大1億円

ものづくり補助金

補助率

1/2~2/3

地域別最低賃金引上げ特例で2/3

補助上限

750万円~7,000万円

最大9,000万円

さらに、

大幅賃上げ特例では100万円~2,000万円の上乗せがあります。

小規模事業者持続化補助金

補助率

2/3

賃金引上げ特例対象の赤字事業者は3/4

補助上限

通常50万円

賃金引上げ特例で最大200万円

IT導入補助金

補助率

1/2~4/5

補助上限

最大450万円

AIやクラウドサービス導入による業務効率化も対象となります。


賃上げ促進税制は見逃せない

助成金や補助金だけではありません。

賃上げ促進税制では、

給与等支給額の増加額に対し、

最大35%の税額控除が可能です。

さらに中小企業では、

控除しきれなかった場合でも、

5年間繰り越すことができます。

赤字だから意味がない、

という制度ではありません。

将来黒字化した際の節税にもつながります。


融資制度も金利優遇がある

資金調達面でも優遇制度があります。

賃上げ貸付利率特例制度では、

日本政策金融公庫等の融資について、

融資後2年間、

利率を0.5%引き下げます。

企業活力強化貸付では、

事業場内最低賃金を2%以上引き上げる企業が、

特別利率①の対象となります。

設備投資を行う企業では、

金利負担まで含めた資金計画が重要です。


人材育成・職場環境改善も支援対象

賃上げとあわせて、

人材育成にも助成制度があります。

人材開発支援助成金では、

経費助成率45%~100%、

賃金助成は1人1時間当たり800円~1,000円、

OJT助成は10万円~25万円となっています。

人材確保等支援助成金では、

制度導入で50万円、

賃上げを伴う場合には最大325万円となるコースもあります。


無料相談窓口も積極的に活用したい

制度選びに迷った場合は、

無料相談を利用することも重要です。

働き方改革推進支援センターでは、

労務管理や賃金改定について相談できます。

よろず支援拠点では、

経営改善や売上拡大について無料相談が可能です。

取引かけこみ寺では、

価格転嫁や価格交渉について専門家が支援しています。

制度を知るだけでなく、

実際に活用するためのサポート体制も整っています。


中小企業経営者が今すぐ確認したいこと

最低賃金の引き上げは避けられません。

重要なのは、

人件費を単なるコストとして受け止めるのではなく、

設備投資

DX

人材育成

税制

融資制度

を組み合わせて、

利益を生み出せる企業へ転換することです。

まずは、

自社で予定している賃上げ額、

対象人数、

設備投資計画を整理し、

活用できる制度を確認してみてください。


まとめ

令和8年度は全国加重平均56円という過去最大級の最低賃金引き上げが実施されました。

しかし、それに対応するための支援制度も過去最大級の充実度となっています。

業務改善助成金は助成率3/4~4/5、助成上限30万円~600万円。

キャリアアップ助成金は1人当たり4万円~7万円。

働き方改革推進支援助成金は基本上限25万円~550万円に加え、賃上げで最大720万円の加算。

中小企業省力化投資補助金は最大1億円。

ものづくり補助金は最大9,000万円。

IT導入補助金は最大450万円。

賃上げ促進税制では最大35%の税額控除と5年間の繰越控除。

賃上げを「コスト」で終わらせるのではなく、生産性向上と利益改善につなげる経営戦略として活用することが、これからの中小企業経営に求められます。


出典

厚生労働省「最低賃金・賃上げ支援施策」

厚生労働省「業務改善助成金」

厚生労働省「キャリアアップ助成金」

厚生労働省「働き方改革推進支援助成金」

厚生労働省「人材開発支援助成金」

厚生労働省「人材確保等支援助成金」

中小企業庁「中小企業省力化投資補助金」

中小企業庁「ものづくり補助金」

中小企業庁「小規模事業者持続化補助金」

中小企業庁「AI導入補助金」

中小企業庁「中小企業成長加速化補助金」

日本政策金融公庫「賃上げ貸付利率特例制度」

中小企業庁「賃上げ促進税制」

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