タワーレコード閉店ラッシュの裏側。「最高益でも閉店」が意味するもの

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「閉店ラッシュ」というニュースだけを見ると、多くの人は

「やはりCDの時代は終わった」と思うでしょう。

しかし実際には、その裏側でタワーレコードは過去最高益を更新しています。

つまり、

「業績が悪いから閉店している」のではない。

ここに、現代の経営を考える上で非常に重要な示唆があります。

今回は現代ビジネスの記事をもとに、その内容を整理しながら、あらゆる業界に共通する経営の教訓を考えてみます。


まず押さえておきたい事実

記事から読み取れる重要ポイントは次の通りです。

■今年に入り閉店が相次ぐ

・武蔵小杉店(2026年1月閉店)
・町田店(2026年7月閉店)
・水戸オーパ店(2026年7月閉店)

一方で

2026年2月期純利益は21億5,600万円。

前年より約50%増加し、
過去最高益を更新しています。

つまり

「利益は出ている。でも店は閉める。」

という、一見矛盾した現象が起きています。


CD市場そのものは縮小している

国内CD市場は1998年をピークに長期縮小。

理由は明確です。

・Spotify
・Apple Music
・YouTube Music
・Amazon Music

などのサブスク普及。

さらに

・EC購入
・ダウンロード
・動画配信

によって、

「CDを買う理由」そのものが減少しました。

これは単なる販売チャネルの変化ではありません。

価値提供の形そのものが変わった

ということです。


それでもタワーレコードは利益を出している

ここが最も興味深い点です。

市場全体が縮小しているにも関わらず、

タワーレコードは利益を伸ばしました。

その理由として記事では次のような点が紹介されています。

①店舗ごとの客層分析

現役店員は毎日

・音楽チャート
・地域特性
・来店客層

を確認。

例えば

ショッピングモールなら

・キッズ向け

住宅街なら

・中高年向け

若者が多い地域なら

・K-POP

というように

店ごとに商品構成を変えています。

これは非常に重要です。

「全国一律」ではなく

地域最適化

を徹底しているのです。


②売れるジャンルへ素早く資源配分

以前は洋楽CDが強かった。

しかし現在は

・洋楽CD縮小

一方

・洋楽レコード拡大
・K-POP拡大

へシフトしています。

つまり

過去の成功体験ではなく、

今売れる市場へ資源を移している。

経営では当たり前のようですが、

実際には非常に難しいことです。


③「体験価値」を売る店へ変化

記事の中で最も印象的だったのが

音楽社会学者による

「CDショップは土産物屋になる」

という考察です。

つまり

モノを買う場所ではなく

体験を持ち帰る場所

になるということ。

これは非常に本質的です。


日本市場は世界でも特殊

世界では

音楽市場の約67%がストリーミング。

一方、

日本では

フィジカルメディアが約65.5%

という特殊な市場構造があります。

ただし、

ここには注意点があります。

実際に売れている理由は

音楽そのものではなく

・握手券
・投票券
・店舗特典

など

CD以外の価値

による需要も大きいのです。

つまり

売れているのは

「CD」

ではなく

体験

なのです。


本国アメリカとの違い

アメリカでは

2006年にタワーレコードは経営破綻しました。

一方日本では

今も生き残っています。

その理由として記事では

日本人には

「所有する価値」

を重視する文化が残っていることが挙げられています。

これは経営でも重要です。

世界で成功したモデルが

そのまま日本で成功するとは限らない。

逆に

日本独自の価値観が

強みになるケースもあるのです。


「最高益なのに閉店」は失敗ではない

多くの人は

店舗閉店を見ると

経営悪化と思います。

しかし実際には

利益最大化のために

不採算店舗を閉める。

その結果

企業全体の利益は伸びる。

これは非常に合理的です。

つまり

店舗数ではなく

利益率を見ている。

経営者は

規模ではなく質

を見るべきなのです。


ここから学べる経営の本質

この記事を読んで感じたのは、

タワーレコードの話ではなく、

すべての業界に共通する経営原則でした。

①市場は必ず変わる

変わらない市場は存在しません。

だから

昔成功した商品だけで

未来も戦えることはありません。


②商品ではなく価値が売れる

CDではなく

推し活。

旅行ではなく

思い出。

住宅ではなく

安心。

コンサルではなく

成果。

顧客は

商品そのものではなく

得られる価値を買っています。


③顧客は一人ではない

地域が違えば

ニーズは違う。

年代が違えば

欲しいものも違う。

だから

「うちのお客様」

という一括りの考え方は危険です。


④成功事例を捨てられる会社が生き残る

洋楽CDを減らし

レコードを増やす。

K-POPへ売場を広げる。

これは

過去を否定することではありません。

未来へ資源を移しただけ

なのです。


⑤利益を守るための撤退は経営判断

撤退は敗北ではありません。

利益を守るための

極めて前向きな意思決定です。

経営者は

「続ける勇気」

だけでなく

「やめる勇気」

も必要になります。


私が最も印象に残ったこと

この記事を読んで最も印象的だったのは、

タワーレコードが

「CD屋」

ではなくなっていることです。

彼らは

音楽体験を提供し、

ファン文化を支え、

地域ごとの売場を作り、

推し活を応援し、

イベントを開催する。

つまり

売っているものは

CDではない。

"体験"と"共感"と"コミュニティ"

なのです。


中小企業経営者へのメッセージ

私たち中小企業も同じです。

補助金を売る会社ではない。

コンサルを売る会社でもない。

本当に売っているのは

企業の未来であり、

経営者の安心であり、

社員の成長であり、

会社の持続可能性です。

市場は必ず変化します。

だからこそ、

変わる市場に合わせて

自社の提供価値を変え続ける企業だけが、

長く生き残るのでしょう。

「最高益でも閉店する。」

この一見矛盾する経営判断こそが、

変化の時代を生き抜く企業の強さを象徴しているように感じました。


出典・引用

本記事は以下の記事内容をもとに整理・考察しています。

引用:現代ビジネスより

  • 「『タワーレコード』の閉店ラッシュが止まらない…現役CDショップ店員が明かす、いま売り場に起きている『異変』」(2026年7月7日)
  • 「本国アメリカでは店舗が消滅した『タワーレコード』が日本で生き残っている理由、日本の音楽市場の『特殊な構造』」(2026年7月7日)

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