シルバーウィークに経営者が確認したい4つの変化|金利上昇・倒産増加・補助金をどう経営判断につなげるか

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こんにちは、竹内です。

シルバーウィークを迎えました。

経営者の皆さんも、少し仕事から離れて家族との時間を過ごしたり、普段できないことに時間を使ったりしているかもしれません。

一方で、経営環境は休んでいる間にも変化しています。

今回の「事業創造ラボ Weekly」では、9月14日〜20日に公開した動画を振り返りながら、今、中小企業の経営者が確認しておきたい変化を整理します。

今回取り上げたテーマは、

  • 借入金利の上昇
  • 倒産・廃業の増加
  • 省力化投資補助金
  • スマートレジへの補助
  • 金融庁の今後の金融行政

です。

一見するとバラバラに見えますが、実はすべて「これからの中小企業経営」に関係しています。


Contents

1.まず確認したい「金利上昇」

今回、最初に取り上げたのが「借入金利の上昇」です。

これまで中小企業経営では、

「売上を増やす」
「人を採用する」
「人件費が上がる」
「原材料価格が上がる」

といった問題が注目されてきました。

しかし、ここにもう一つ、

「借入金利」

という変数が加わってきています。

東京商工リサーチも、金融機関の貸出金利が上昇基調にあり、借入依存度の高い企業ほど、借り換えや新規調達に伴う利払い負担が膨らみやすい環境になっているとしています。

重要なのは、

「金利が何%上がったか」

だけではありません。

自社の借入金額と借入期間を掛け合わせて、

「金利が0.5%、1%上がったら、自社の年間支払利息はいくら増えるのか?」

を確認することです。

例えば、借入残高が1億円あれば、単純計算で金利が1%上がると年間100万円の利息差になります。

もちろん実際の支払利息は返済によって変わります。

しかし、重要なのは「金利上昇が自社の利益にどれだけ影響するのか」を数字で把握することです。


2.倒産件数も高い水準が続いている

もう一つ、今回の動画で取り上げたのが倒産動向です。

帝国データバンクによると、2026年8月の全国企業倒産は827件。

前年同月比10.1%増で、8月としては2012年以来14年ぶりに800件を超えました。2026年1〜8月累計では7,199件となっています。

東京商工リサーチでも、8月の倒産件数は830件。

集計方法は異なりますが、こちらも前年同月を上回り、14年ぶりの高水準としています。

特に帝国データバンクでは、

  • サービス業
  • 建設業
  • 小売業

などで前年を上回っています。

ここで重要なのは、

「倒産件数が増えているから、自社も危ない」

という話ではありません。

むしろ経営者が見るべきなのは、

「なぜ今、企業が倒れているのか」

です。

物価高、人件費、人手不足、借入金利、後継者問題。

こうした複数のコストや経営課題が同時に企業へかかっています。

つまり、これからの経営では、

「売上さえ増えれば何とかなる」

という考え方だけでは危険です。

売上を増やしても、

  • 人件費が増える
  • 外注費が増える
  • 原材料費が増える
  • 借入金利が増える

となれば、利益が残らない可能性があります。

売上ではなく「利益とキャッシュ」を見る経営

が、これまで以上に重要になります。


3.一方で「投資しない」という選択も危険

ここが今回のテーマで特に重要なところです。

金利が上がっている。

倒産も増えている。

だったら、

「投資を控えて、現金を持っておこう」

と考える経営者もいるでしょう。

もちろん、資金繰りを無視した投資は避ける必要があります。

しかし、人手不足が続いている中で、

「人が足りないから、仕事を受けられない」

という状態になっている会社が、何も投資しないこともリスクになります。

そこで重要になるのが、

省力化投資

です。

今回の動画では「中小企業省力化投資補助金・一般型第8回」を取り上げました。

第8回は2026年9月18日に応募申請の受付が始まり、締切は10月16日17時です。

この補助金は、業務プロセスの自動化・高度化、ロボット、生産プロセス改善、DXなど、個々の現場に合わせた設備導入やシステム構築を支援するものです。

そして今回の第8回で特に注目したいのが、

「何を買うか」ではなく「なぜその投資で省力化できるのか」

という視点です。


4.補助金は「設備購入の値引き」ではない

補助金申請を考えるとき、

「この設備は補助金の対象になりますか?」

という質問をよく受けます。

もちろん対象経費かどうかは重要です。

しかし、本来もっと重要なのは、

「その設備を導入すると、会社の経営がどう変わるのか」

です。

例えば、

「新しい機械を導入します」

だけではありません。

そこから、

「作業時間が○時間削減される」

「現在○人が担当している業務を効率化できる」

「浮いた人員を営業・品質管理などに振り向けられる」

「売上・利益を増やす」

というところまで考える。

つまり、

設備投資 → 省力化 → 人材の再配置 → 生産性向上 → 利益改善

という経営ストーリーを作る必要があります。

中小企業庁の説明でも、一般型は生産・業務プロセス等の効率化を目的とし、省力化によって限られた人材でより高い付加価値を生み出すことを狙った制度とされています。


5.第8回の事業計画では「賃上げ」も重要

今回の第8回で、もう一つ押さえておきたいのが賃上げです。

中小企業庁の説明では、一般型には労働生産性や給与支給総額、事業場内最低賃金などに関する基本要件があります。

さらに第8回からは、補助事業完了後だけでなく、補助事業完了を待たずに実施する「足下の賃上げ」も評価する運用に変更されています。

つまり、

「設備を入れて、人を減らして、コストを下げる」

というだけではなく、

「省力化によって生み出した余力を、人材・賃金・付加価値向上につなげる」

という経営が求められていると考えることができます。


6.スマートレジも「今買っていいのか?」を確認する

今回もう一つ取り上げたのが、スマートレジに関する補助制度です。

9月15日から、デジタル化・AI導入補助金において、スマートレジやPOSレジの対応を支援する事前着手制度が始まりました。

ソフトウェア・サービスについては、1機能で最大50万円、2機能以上で最大350万円。

ハードウェアについては最大20万円などの制度設計となっています。

ここで大事なのは、

「補助金があるから買う」

ではありません。

「そもそも来年に向けてレジ対応が必要なのか?」

「今のレジを使い続けることで、どんな問題が発生するのか?」

「新しいレジにすることで、どれだけ業務時間を削減できるのか?」

を考えることです。

補助金は「目的」ではなく、

経営課題を解決するための手段

として考える必要があります。


7.金融機関との付き合い方も変わっていく

今回の動画では、金融庁の予算要求や今後の融資環境についても取り上げました。

金融庁は2026年8月31日に令和9年度予算・機構定員要求を公表しています。

また、金融庁は2026事務年度の金融行政方針を9月15日に公表しています。

さらに、金融庁は事業者と金融機関の信頼関係に基づく「事業性融資」についても取り組みを進めています。

これから経営者にとって重要になるのは、

「銀行からいくら借りられるか」

だけではありません。

「自社は何を目指している会社なのか」

「そのためにいくら必要なのか」

「その投資によって、どんな利益・キャッシュを生み出すのか」

を金融機関に説明できることです。


8.シルバーウィークに確認しておきたい「4つの数字」

ここまでを踏まえて、連休中に一度確認してみてください。

① 借入残高

現在、金融機関からいくら借りているのか。

② 金利

それぞれの借入金利はいくらなのか。

固定金利なのか、変動金利なのか。

③ 年間返済額+支払利息

毎年、元金と利息をいくら支払っているのか。

④ 投資によって生み出せる利益・キャッシュ

今後予定している設備投資によって、

「いくら売上が増えるのか」
「いくらコストが減るのか」
「何時間の労働を削減できるのか」

を確認する。

この4つを見るだけでも、自社の資金繰りに対する見え方はかなり変わります。


9.これからの経営は「売上」だけでは判断できない

今回の6本の動画を通して、私が改めて感じるのは、

中小企業経営の判断軸が変わってきている

ということです。

これまでは、

「売上を増やす」

ことが大きなテーマでした。

これからは、

売上 × 利益率 × 人材生産性 × 資金調達 × キャッシュ

をセットで考える必要があります。

売上が増えても利益が残らない。

利益が出ても借入返済でキャッシュが残らない。

投資をしなければ人手不足で成長できない。

投資をすれば借入が増える。

だからこそ、

「何に投資するのか」だけではなく、「どういう財務構造にするのか」

まで考えることが重要です。


10.休み明けに経営者がやるべきこと

シルバーウィークが終わったら、ぜひ一度、以下を確認してみてください。

□ 借入金を金融機関別・金利別に一覧化する
□ 今後1〜2年の借り換え予定を確認する
□ 金利上昇時の年間利息負担を試算する
□ 今後予定している設備投資を一覧化する
□ 「補助金が使えるか」ではなく「投資効果」を確認する
□ 人手不足によって発生している機会損失を把握する
□ 省力化できる業務を洗い出す
□ 金融機関に説明できる事業計画を整理する

そして最後に、

「今の会社にとって、本当に必要な投資は何か?」

を考えてみてください。


まとめ

今回の「事業創造ラボ Weekly」では、

  • 金利上昇
  • 倒産増加
  • 省力化投資
  • スマートレジ
  • 金融行政

という、一見別々に見えるテーマを取り上げました。

しかし、共通しているのは、

「経営者が先回りして準備すること」

です。

金利が上がってから資金繰りを考える。

人手が足りなくなってから省力化投資を考える。

資金が必要になってから銀行に相談する。

補助金の締切直前になってから事業計画を作る。

これでは、どうしても後手に回ってしまいます。

だからこそ、少し時間を取りやすいシルバーウィークに、

「自社のお金・人・投資」

を一度整理してみてはいかがでしょうか。

経営環境が変わるときに重要なのは、変化そのものを恐れることではありません。

変化する前提で、自社の経営数字と打ち手を準備しておくこと。

これからの中小企業経営では、その差がますます大きくなっていくのではないでしょうか。

今週公開した動画

① 借入金利9年ぶりの水準!中小企業の金利上昇が拡大|経営者が今確認すべき資金繰り対策

② 【10/16締切】その設備投資、補助金対象?省力化投資補助金・一般型第8回の重要ポイント

③ 【9月15日開始】スマレジ補助金、申請前に購入OK?最大350万円の注意点

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